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管子 / 小問

桓公乘馬,虎望見之而伏。桓公問管仲曰:「今者寡人乘馬,虎望見寡人而不敢行,其故何也?」管仲對曰:「意者君乘駮馬而洀桓,迎日而馳乎?」公曰:「然。」管仲對曰:「此駮象也。駮食虎豹,故虎疑焉。」楚伐莒,莒君使人求救於齊,桓公將救之。管仲曰:「君勿救也。」公曰:「其故何也?」管仲對曰:「臣與其使者言,三辱其君,顔色不變。臣使官無滿其禮,三强。其使者爭之以死。莒君小人也,君勿救。」桓公果不救而莒亡。

新字:桓公乗馬,虎望見之而伏。桓公問管仲曰:「今者寡人乗馬,虎望見寡人而不敢行,其故何也?」管仲対曰:「意者君乗駮馬而洀桓,迎日而馳乎?」公曰:「然。」管仲対曰:「此駮象也。駮食虎豹,故虎疑焉。」楚伐莒,莒君使人求救於斉,桓公将救之。管仲曰:「君勿救也。」公曰:「其故何也?」管仲対曰:「臣与其使者言,三辱其君,顔色不変。臣使官無満其礼,三强。其使者争之以死。莒君小人也,君勿救。」桓公果不救而莒亡。

書き下し

桓公馬に乘る、虎望み見て伏す。桓公管仲に問いて曰く、「今者寡人馬に乘るに、虎寡人を望み見て敢えて行かず、其の故は何ぞや」と。管仲對えて曰く、「意うに君は駮馬に乘りて洀桓し、日を迎えて馳せしか」と。公曰く、「然り」と。管仲對えて曰く、「此れ駮の象なり。駮は虎豹を食う、故に虎焉を疑うなり」と。楚莒を伐つ。莒君人をして救いを齊に求めしむ。桓公將に之を救わんとす。管仲曰く、「君救う勿かれ」と。公曰く、「其の故は何ぞや」と。管仲對えて曰く、「臣其の使者と言うに、三たび其の君を辱しむるも、顔色變ぜず。臣官をして其の禮を滿たさざらしむること、三たび强う。其の使者之を爭うに死を以てす。莒君は小人なり、君救う勿かれ」と。桓公果たして救わずして莒亡ぶ。

現代語訳

桓公が馬に乗っていると、虎が遠くから見て伏せた。桓公が管仲に問うた。いま私が馬に乗っていたら、虎が私を見て進んで来なかった。なぜか。管仲が答えた。おそらく君は駮馬に乗ってめぐり歩き、日に向かって走られたのでしょう。公が言った。そのとおりだ。管仲が答えた。それは駮の姿です。駮は虎や豹を食べます。だから虎は疑ったのです。楚が莒を討った。莒の君が人をやって斉に救いを求め、桓公は救おうとした。管仲が言った。君は救ってはなりません。公が言った。なぜか。管仲が答えた。私はその使者と話しましたが、三度その君を辱めても顔色を変えませんでした。役人に礼を満たさないようにさせると、三度も強く求め、その使者は自分のことでは死をかけて争いました。莒の君は小人です。君は救ってはなりません。桓公はほんとうに救わず、莒は滅びた。

解説

二つの逸話が並びます。虎が伏せたのは駮に見えたから、という種明かしが一つ。もう一つは使者の見方で、君を三度辱められても顔色を変えないのに、自分への礼が足りないと死をかけて争った。使者のふるまいから、その君の器を読みました。そして救わず、莒は滅びます。

この章句が説くこと

桓公馬に乗る虎望み見て伏す駮は虎豹を食う故に虎焉を疑うなり三たび其の君を辱しむるも顔色変ぜず莒君は小人なり君救う勿かれたとえ使者

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