管子 / 小問
使民必死必信,若何?」管子對曰:「明三本。」公曰:「何謂三本?」管子對曰:「三本者,一曰固,二曰尊,三曰質。」公曰:「何謂也?」管子對曰:「故國父母,墳墓之所在,固也。田宅爵禄,尊也。妻子,質也。三者偹然後大其威,厲其意,則民必死而不我欺也。」
新字:使民必死必信,若何?」管子対曰:「明三本。」公曰:「何謂三本?」管子対曰:「三本者,一曰固,二曰尊,三曰質。」公曰:「何謂也?」管子対曰:「故国父母,墳墓之所在,固也。田宅爵禄,尊也。妻子,質也。三者偹然後大其威,厲其意,則民必死而不我欺也。」
書き下し
「民をして必ず死し必ず信ならしむるは、若何」と。管子對えて曰く、「三本を明らかにす」と。公曰く、「何をか三本と謂う」と。管子對えて曰く、「三本なる者は、一に曰く固、二に曰く尊、三に曰く質なり」と。公曰く、「何の謂いぞや」と。管子對えて曰く、「故國父母、墳墓の在る所は、固なり。田宅爵禄は、尊なり。妻子は、質なり。三者備わりて然る後に其の威を大にし、其の意を厲ませば、則ち民必ず死して我を欺かざるなり」と。
現代語訳
民が必ず死ぬ気になり、必ず信を持つようにするにはどうするか。管子が答えた。三つの本を明らかにします。公が言った。三つの本とは何か。答えた。三つの本とは、一つは固、二つは尊、三つは質です。公が言った。どういう意味か。答えた。故郷の国と父母、墓のあるところ、これが固です。田と宅と爵と禄、これが尊です。妻子、これが質です。この三つが備わって、そのうえで威を大きくし気持ちを励ませば、民は必ず死ぬ気になり、こちらを欺きません。
解説
民が死ぬ気になる条件を、三つに絞った段です。故郷と父母と墓のある固、田宅と爵禄の尊、そして妻子の質。守るものと得るものと、置いていくものが揃ってはじめて人は動く、という数え方でした。威を大きくするのはそのあと、という順序も示されています。
この章句が説くこと
民をして必ず死し必ず信ならしむるは三本を明らかにす三本なる者は一に曰く固二に曰く尊三に曰く質なり故国父母墳墓の在る所は固なり田宅爵禄は尊なり妻子は質なり三者備わりて然る後に其の威を大にす動機三本
関連する章句
-
司馬法・嚴位凡そ人は、愛に死し、怒りに死し、威に死し、義に死し、利に死す。
-
論語・憲問篇微生畝、孔子に謂いて曰く、「丘、何為れぞ是れ栖栖たる者ぞ。乃ち佞を為すこと無からんや。」孔子曰く、「敢えて佞を為すに非ざるなり、固を疾むなり。」
-
孫子・虚実篇能く敵をして自ら至らしむる者は、之を利すればなり。能く敵をして至るを得ざらしむる者は、之を害すればなり。
-
言志四録・南洲手抄凡そ事を作すには、須らく天に事ふるの心あるを要すべし。人に示すの念あるを要せず。
-
『韓非子』難二第三十七之をして義ならしめば、桓公義を宿めて、冠を遺るるを須ちて而る後に之を行ふ、則ち是れ桓公の義を行ふは、冠を遺るるが爲に非ざらんや。是れ遺冠の恥を小人に雪ぐと雖も、亦た遺義の恥を君子に生ずるなり。
-
孫子・勢篇勢は彍弩の如く、節は発機の如し。