管子 / 內業
精存自生,其外安榮。内藏以為泉原,浩然和平,以為氣淵。淵之不涸,四體乃固;泉之不竭,九竅遂通,乃能窮天地,被四海。中無惑意,外無邪菑。心全於中,形全於外。不逢天菑,不遇人害,謂之聖人。人能正静,皮膚裕寛,耳目聰明,筋信而骨強,乃能戴大圜而履大方。鑒於大清,視於大眀,敬愼無忒,日新其德,徧知天下,窮於四極。敬發其充,是謂内得。然而不反,此生之忒。
新字:精存自生,其外安栄。内蔵以為泉原,浩然和平,以為気淵。淵之不涸,四体乃固;泉之不竭,九竅遂通,乃能窮天地,被四海。中無惑意,外無邪菑。心全於中,形全於外。不逢天菑,不遇人害,謂之聖人。人能正静,皮膚裕寛,耳目聰明,筋信而骨強,乃能戴大圜而履大方。鑒於大清,視於大明,敬慎無忒,日新其徳,遍知天下,窮於四極。敬発其充,是謂内得。然而不反,此生之忒。
書き下し
精存すれば自ら生じ、其の外安榮なり。内に藏して以て泉原と為し、浩然として和平、以て氣淵と為す。淵の涸れざれば、四體乃ち固し。泉の竭きざれば、九竅遂に通ず。乃ち能く天地を窮め、四海を被う。中に惑意無く、外に邪菑無し。心中に全く、形外に全し。天菑に逢わず、人害に遇わず、之を聖人と謂う。人能く正静なれば、皮膚裕寛、耳目聰明、筋信びて骨強く、乃ち能く大圜を戴きて大方を履む。大清に鑒み、大明に視、敬愼にして忒わず、日に其の德を新たにし、徧く天下を知り、四極を窮む。敬しみて其の充を發す、是を内得と謂う。然り而して反らざる、此れ生の忒なり。
現代語訳
精が保たれていればおのずと生まれ、外は安らかで栄える。内に蔵して泉のみなもととし、広々と和らぎ平らかで、気の淵とする。淵が涸れなければ四肢は固く、泉が尽きなければ九つの穴はよく通じる。そうして天地を窮め、四海を覆える。内に惑いがなく、外に邪も災いもない。心は内で全うされ、形は外で全うされる。天の災いに遭わず、人の害にも遭わない。これを聖人という。人が正しく静かであれば、皮膚はゆったりし、耳目は聡く明るく、筋は伸びて骨は強く、大きな円を戴いて大きな方形を踏める。大いなる清らかさに照らし、大いなる明るさで見て、慎んで外れず、日ごとにその徳を新たにし、あまねく天下を知り、四方の果てを窮める。慎んでその充ちたものを出す。これを内に得るという。それでいて立ち返らないなら、これは生の外れである。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『管子』內業凡そ物の精、此れ則ち生を為す。下は五榖を生じ、上は列星と為る。天地の間に流るる、之を鬼神と謂う。胷中に藏まる、之を聖人と謂う。是の故に民の氣は、杲乎として天に登るが如く、杳乎として淵に入るが如く、淖乎として海に在るが如く、卒乎として己に在るが如し。是の故に此の氣や、力を以て止む可からずして、德を以て安んず可し。聲を以て呼ぶ可からずして、音を以て迎う可し。敬しみ守りて失う勿かれ、是を德を成すと謂う。德成りて智出で、萬物果たして得らる。
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『管子』內業形正しからざれば、德來たらず。中静かならざれば、心治まらず。形を正し德を攝すれば、天は仁に地は義に、則ち淫然として自ら至る。神明の極、照らして萬物を知り、中に義もて守りて忒わず。物を以て官を亂さず、官を以て心を亂さず、是を中得と謂う。神有りて自ら身に在り、一たび往き一たび來たり、之を思う能わず。之を失えば必ず亂れ、之を得れば必ず治まる。敬しみて其の舍を除けば、精將に自ら來たらんとす。精なる之を想い思い、寧んじて之を念じ治む。容を嚴にし畏み敬めば、精將に至りて定まらんとす。
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『管子』內業凡そ道は必ず周く必ず密に、必ず寛く必ず舒やかに、必ず堅く必ず固し。善を守りて舍つる勿かれ、淫を逐い薄を澤す。既に其の極を知れば、道德に反る。全心中に在れば、蔽い匿す可からず。形容に和し、膚色に見る。善氣もて人を迎うれば、弟兄よりも親しむ。惡氣もて人を迎うれば、戎兵よりも害あり。不言の聲は、雷鼓よりも疾し。心氣の形は、日月よりも明らかに、父母よりも察かなり。賞は以て善を勸むるに足らず、刑は以て過ちを懲らすに足らず。氣意得て天下服し、心意定まりて天下聽く。氣を搏むること神の如く、萬物備え存す。能く搏むるか。能く一にするか。能く卜筮無くして吉凶を知るか。能く止まるか。能く已むか。能く諸を人に求むる勿くして之を己に得るか。之を思い之を思い、又た重ねて之を思う。之を思いて通ぜざれば、鬼神將に之に通ぜんとす。鬼神の力に非ざるなり、精氣の極なり。四體既に正しく、血氣既に静かに、意を一にし心を搏むれば、耳目淫せず、逺しと雖も近きが若し。
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『管子』內業凡そ人の生くるや、必ず平正を以てす。之を失う所以は、必ず喜怒憂患を以てす。是の故に怒を止むるは詩に若くは莫く、憂を去るは樂に若くは莫く、樂を節するは禮に若くは莫く、禮を守るは敬に若くは莫く、敬を守るは静に若くは莫し。内静かに外敬しければ、能く其の性に反り、性將に大いに定まらんとす。凡そ食の道は、大いに充つれば傷りて形臧からず、大いに攝むれば骨枯れて血沍る。充と攝との間、此れを和成と謂う。精の舍る所にして、知の生ずる所なり。飢飽の度を失うは、乃ち之が圖を為す。飽けば則ち疾く動き、飢うれば則ち廣く思い、老いては則ち長く慮る。飽きて疾く動かざれば、氣四末に通ぜず。飢えて廣く思わざれば、飽きて廢せず。老いて長く慮らざれば、困しみて乃ち遫やかに竭く。心を大にして敢えにし、氣を寛くして廣くす。其の形安んじて移らず、能く一を守りて萬苛を弃て、利を見て誘われず、害を見て懼れず、寛舒にして仁、獨り其の身を樂しむ、是を雲氣と謂い、意行天に似たり。
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『管子』心術下形正しからざる者は德來たらず、中精ならざる者は心治まらず。形を正し德を飾れば、萬物畢く得。翼然として自ら來たり、神も其の極を知る莫し。天下を昭知し、四極に通ず。是の故に曰く、物を以て官を亂す無く、官を以て心を亂す毋かれ、此れを之れ内德と謂うと。是の故に意氣定まりて然る後に正に反る。氣なる者は、身の充つるなり。行なる者は、正の義なり。充つること美ならざれば則ち心得ず、行い正しからざれば則ち民服せず。是の故に聖人は天の若く然り、私かに覆う無きなり。地の若く然り、私かに載する無きなり。私なる者は、天下を亂す者なり。凡そ物は名を載せて來たる、聖人因りて之を財し、而して天下治まる。實傷つかず、天下に亂れずして、天下治まる。
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『管子』內業凡そ道は、根無く莖無く、葉無く榮無し。萬物以て生じ、萬物以て成る、之を命づけて道と曰う。天は正を主り、地は平を主り、人は安静を主る。春秋冬夏は、天の時なり。山陵川谷は、地の枝なり。喜怒取予は、人の謀なり。是の故に聖人は時と變じて化せず、物に從いて移らず。能く正しく能く静かにして、然る後に能く定まる。定心中に在れば、耳目聰明にして、四枝堅固、以て精舍と為す可し。精なる者は、氣の精なる者なり。氣あれば、道乃ち生じ、生ずれば乃ち思い、思えば乃ち知り、知れば乃ち止まる。凡そ心の形、知に過ぐれば生を失う。一物能く化する、之を神と謂う。一事能く變ずる、之を智と謂う。化して氣を易えず、變じて智を易えず。惟だ一を執るの君子のみ能く此れを為すか。一を執りて失わざれば、能く萬物に君たり。君子は物を使いて、物に使われず。一を得るの理、心を治むるは中に在り、言を治むるは口より出で、事を治むるは人に加わる。然らば則ち天下治まる。一言得て天下服し、一言定まりて天下聽く、公の謂いなり。