管子 / 內業
形不正,德不來;中不靜,心不治。正形攝德,天仁地義,則淫然而自至。神明之極,照乎知萬物,中義守不忒。不以物亂官,不以官亂心,是謂中得。有神自在身,一往一來,莫之能思。失之必亂,得之必治。敬除其舍,精將自來。精想思之,寧念治之。嚴容畏敬,精將至定。
新字:形不正,徳不来;中不静,心不治。正形摂徳,天仁地義,則淫然而自至。神明之極,照乎知万物,中義守不忒。不以物乱官,不以官乱心,是謂中得。有神自在身,一往一来,莫之能思。失之必乱,得之必治。敬除其舎,精将自来。精想思之,寧念治之。厳容畏敬,精将至定。
書き下し
形正しからざれば、德來たらず。中静かならざれば、心治まらず。形を正し德を攝すれば、天は仁に地は義に、則ち淫然として自ら至る。神明の極、照らして萬物を知り、中に義もて守りて忒わず。物を以て官を亂さず、官を以て心を亂さず、是を中得と謂う。神有りて自ら身に在り、一たび往き一たび來たり、之を思う能わず。之を失えば必ず亂れ、之を得れば必ず治まる。敬しみて其の舍を除けば、精將に自ら來たらんとす。精なる之を想い思い、寧んじて之を念じ治む。容を嚴にし畏み敬めば、精將に至りて定まらんとす。
現代語訳
形が正しくなければ徳は来ず、内が静かでなければ心は治まらない。形を正し徳を収めれば、天は仁となり地は義となって、あふれるようにおのずと至る。神明の極みは、照らして万物を知り、内に義をもって守って外れない。物によって官を乱さず、官によって心を乱さない。これを内に得るという。神があって自分の身のうちにあり、行っては来て、思いはかることができない。それを失えば必ず乱れ、それを得れば必ず治まる。慎んでその宿を掃き清めれば、精はおのずと来ようとする。精を思い、静かにそれを念じて整える。姿を厳かにして畏れ敬えば、精は至って定まろうとする。
解説
心術下と重なる一節が、ここでも出てきます。物によって官を乱さず、官によって心を乱さない。それを、内に得ると呼びました。宿を掃き清めれば精はおのずと来る、という言い方が繰り返し使われます。呼び寄せるのではなく、来られる場所を作るだけ。姿を厳かにして畏れ敬えば定まる、と体の側も条件に入っています。
この章句が説くこと
形正しからざれば徳来たらず中静かならざれば心治まらず物を以て官を乱さず官を以て心を乱さず是を中得と謂う之を失えば必ず乱れ之を得れば必ず治まる敬しみて其の舎を除けば精将に自ら来たらんとす形掃除
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『管子』心術下形正しからざる者は德來たらず、中精ならざる者は心治まらず。形を正し德を飾れば、萬物畢く得。翼然として自ら來たり、神も其の極を知る莫し。天下を昭知し、四極に通ず。是の故に曰く、物を以て官を亂す無く、官を以て心を亂す毋かれ、此れを之れ内德と謂うと。是の故に意氣定まりて然る後に正に反る。氣なる者は、身の充つるなり。行なる者は、正の義なり。充つること美ならざれば則ち心得ず、行い正しからざれば則ち民服せず。是の故に聖人は天の若く然り、私かに覆う無きなり。地の若く然り、私かに載する無きなり。私なる者は、天下を亂す者なり。凡そ物は名を載せて來たる、聖人因りて之を財し、而して天下治まる。實傷つかず、天下に亂れずして、天下治まる。
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『管子』內業凡そ道は必ず周く必ず密に、必ず寛く必ず舒やかに、必ず堅く必ず固し。善を守りて舍つる勿かれ、淫を逐い薄を澤す。既に其の極を知れば、道德に反る。全心中に在れば、蔽い匿す可からず。形容に和し、膚色に見る。善氣もて人を迎うれば、弟兄よりも親しむ。惡氣もて人を迎うれば、戎兵よりも害あり。不言の聲は、雷鼓よりも疾し。心氣の形は、日月よりも明らかに、父母よりも察かなり。賞は以て善を勸むるに足らず、刑は以て過ちを懲らすに足らず。氣意得て天下服し、心意定まりて天下聽く。氣を搏むること神の如く、萬物備え存す。能く搏むるか。能く一にするか。能く卜筮無くして吉凶を知るか。能く止まるか。能く已むか。能く諸を人に求むる勿くして之を己に得るか。之を思い之を思い、又た重ねて之を思う。之を思いて通ぜざれば、鬼神將に之に通ぜんとす。鬼神の力に非ざるなり、精氣の極なり。四體既に正しく、血氣既に静かに、意を一にし心を搏むれば、耳目淫せず、逺しと雖も近きが若し。
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『管子』內業精存すれば自ら生じ、其の外安榮なり。内に藏して以て泉原と為し、浩然として和平、以て氣淵と為す。淵の涸れざれば、四體乃ち固し。泉の竭きざれば、九竅遂に通ず。乃ち能く天地を窮め、四海を被う。中に惑意無く、外に邪菑無し。心中に全く、形外に全し。天菑に逢わず、人害に遇わず、之を聖人と謂う。人能く正静なれば、皮膚裕寛、耳目聰明、筋信びて骨強く、乃ち能く大圜を戴きて大方を履む。大清に鑒み、大明に視、敬愼にして忒わず、日に其の德を新たにし、徧く天下を知り、四極を窮む。敬しみて其の充を發す、是を内得と謂う。然り而して反らざる、此れ生の忒なり。
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『管子』內業之を得て舍つる勿かれ、耳目淫せず、心に他圖無し。正心中に在れば、萬物度を得。道は天下に滿ち、普く民の所に在り、民知る能わざるなり。一言の解、上は天に察かに、下は地を極め、九州に蟠り滿つ。何をか之を解すと謂う。心の安きに在り。我が心治まれば、官乃ち治まる。我が心安んずれば、官乃ち安んず。之を治むる者は心なり、之を安んずる者は心なり。心以て心を藏し、心の中に又た心有り。彼の心の心は、音以て言に先んず。音ありて然る後に形あり、形ありて然る後に言あり、言ありて然る後に使あり、使ありて然る後に治まる。治まらざれば必ず亂れ、亂るれば乃ち死す。
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『管子』內業凡そ物の精、此れ則ち生を為す。下は五榖を生じ、上は列星と為る。天地の間に流るる、之を鬼神と謂う。胷中に藏まる、之を聖人と謂う。是の故に民の氣は、杲乎として天に登るが如く、杳乎として淵に入るが如く、淖乎として海に在るが如く、卒乎として己に在るが如し。是の故に此の氣や、力を以て止む可からずして、德を以て安んず可し。聲を以て呼ぶ可からずして、音を以て迎う可し。敬しみ守りて失う勿かれ、是を德を成すと謂う。德成りて智出で、萬物果たして得らる。
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『管子』內業凡そ道に所無く、善心安んじて愛す。心静かに氣理まれば、道乃ち止まる可し。彼の道は逺からず、民得て以て産す。彼の道は離れず、民因りて以て知る。是の故に卒乎として其れ與に索む可きが如く、乎として其れ窮まりて所無きが如し。彼の道の情は、音と聲とを惡む。心を修め音を静かにすれば、道乃ち得可し。道なる者は、口の言う能わざる所なり、目の視る能わざる所なり、耳の聽く能わざる所なり、心を修めて形を正す所以なり。人の失いて以て死し、得て以て生くる所なり。事の失いて以て敗れ、得て以て成る所なり。