管子 / 任法
故明王之所操者六:生之,殺之,富之,貧之,貴之,賤之。此六柄者,主之所操也。主之所處者四:一曰文,二曰武,三曰威,四曰德。此四位者,主之所處也。藉人以其所操,命曰奪柄。藉人以其所處,命曰失位。奪柄失位,而求令之行,不可得也。法不平,令不全,是亦奪柄失位之道也。故有為枉法,有為毁令,此聖君之所以自禁也。
新字:故明王之所操者六:生之,殺之,富之,貧之,貴之,賤之。此六柄者,主之所操也。主之所処者四:一曰文,二曰武,三曰威,四曰徳。此四位者,主之所処也。藉人以其所操,命曰奪柄。藉人以其所処,命曰失位。奪柄失位,而求令之行,不可得也。法不平,令不全,是亦奪柄失位之道也。故有為枉法,有為毁令,此聖君之所以自禁也。
書き下し
故に明王の操る所の者は六つ。之を生かし、之を殺し、之を富まし、之を貧しくし、之を貴くし、之を賤しくす。此の六柄なる者は、主の操る所なり。主の處る所の者は四つ。一に曰く文、二に曰く武、三に曰く威、四に曰く德。此の四位なる者は、主の處る所なり。人に藉すに其の操る所を以てする、命づけて柄を奪うと曰う。人に藉すに其の處る所を以てする、命づけて位を失うと曰う。柄を奪われ位を失いて、令の行わるるを求むるは、得可からざるなり。法平らかならず、令全からざるは、是れ亦た柄を奪われ位を失うの道なり。故に法を枉ぐるを為す有り、令を毁つを為す有り、此れ聖君の自ら禁ずる所以なり。
現代語訳
明王が握るものは六つある。生かし、殺し、富ませ、貧しくし、貴くし、賤しくすること。この六つの柄が、主の握るところである。主が身を置くところは四つある。一つは文、二つは武、三つは威、四つは徳。この四つの位が、主の身を置くところである。握るものを人に貸すのを、柄を奪われるという。身を置くところを人に貸すのを、位を失うという。柄を奪われ位を失って、令が行われるのを求めても得られない。法が平らかでなく、令が全うされないのも、柄を奪われ位を失う道である。だから法を曲げることがあり、令を壊すことがある。これが聖君が自分に禁じるところである。
解説
主の持ち物を数え上げた段です。握るのは六つの柄、身を置くのは四つの位。それを人に貸すことを、奪われる、失う、と言い換えました。自分から渡しても、結果は奪われたのと同じだ、と。法が平らかでなく令が全うされないのも同じ道に数えられ、聖君はそれを自分に禁じる、と結ばれます。
この章句が説くこと
明王の操る所の者は六つ之を生かし之を殺し之を富まし之を貧しくす主の処る所の者は四つ一に曰く文二に曰く武三に曰く威四に曰く徳人に藉すに其の操る所を以てする命づけて柄を奪うと曰う法平らかならず令全からざるは是れ亦た柄を奪われ位を失うの道なり権限六柄
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