管子 / 五行
睹甲子,木行御。天子不賦,不賜賞,而大斬伐傷,君危。不殺,太子危,家人夫人死,不然則長子死。七十二日而畢。睹丙子,火行御。天子敬行急政,旱札苗死,民厲。七十二日而畢。睹戊子,土行御。天子脩宫室,築臺榭,君危。外築城郭,臣死。七十二日而畢。睹庚子,金行御,天子攻山擊石,有兵,作戰而敗,士死䘮執政。七十二日而畢。睹壬子,水行御。天子決塞動大水,王后夫人薨。不然,則羽卵者段,毛胎者婦銷弃,草木根本不美。七十二日而畢也。
新字:睹甲子,木行御。天子不賦,不賜賞,而大斬伐傷,君危。不殺,太子危,家人夫人死,不然則長子死。七十二日而畢。睹丙子,火行御。天子敬行急政,旱札苗死,民厲。七十二日而畢。睹戊子,土行御。天子脩宫室,築台榭,君危。外築城郭,臣死。七十二日而畢。睹庚子,金行御,天子攻山擊石,有兵,作戦而敗,士死喪執政。七十二日而畢。睹壬子,水行御。天子決塞動大水,王后夫人薨。不然,則羽卵者段,毛胎者婦銷弃,草木根本不美。七十二日而畢也。
書き下し
甲子を睹れば、木行御す。天子賦せず、賞を賜わずして、大いに斬伐して傷なわば、君危うし。殺さざれば、太子危うく、家人夫人死す。然らずんば則ち長子死す。七十二日にして畢わる。丙子を睹れば、火行御す。天子敬みて急政を行えば、旱札して苗死し、民厲む。七十二日にして畢わる。戊子を睹れば、土行御す。天子宫室を脩め、臺榭を築かば、君危うし。外に城郭を築かば、臣死す。七十二日にして畢わる。庚子を睹れば、金行御す。天子山を攻め石を擊たば、兵有りて、戰を作して敗れ、士死し執政を䘮う。七十二日にして畢わる。壬子を睹れば、水行御す。天子塞を決して大水を動かさば、王后夫人薨ず。然らずんば、則ち羽卵なる者は段え、毛胎なる者は婦して銷弃せられ、草木の根本美ならず。七十二日にして畢わるなり。
現代語訳
甲子を見れば、木の運行が政をとる。天子が賦を課さず賞も賜わず、そのうえで大いに伐り傷つければ、君が危うい。殺さなければ、太子が危うく、家の人や夫人が死ぬ。そうでなければ長子が死ぬ。七十二日で終わる。丙子を見れば、火の運行が政をとる。天子が慎むふりをして急な政を行えば、旱と疫で苗が枯れ、民は病む。七十二日で終わる。戊子を見れば、土の運行が政をとる。天子が宮室を修め高殿を築けば、君が危うい。外に城壁を築けば、臣が死ぬ。七十二日で終わる。庚子を見れば、金の運行が政をとる。天子が山を崩し石を打てば、兵が起こり、戦って敗れ、士が死んで執政を失う。七十二日で終わる。壬子を見れば、水の運行が政をとる。天子が堰を切って大水を動かせば、王后や夫人が亡くなる。そうでなければ、羽で卵を抱くものは損なわれ、毛で胎を宿すものは流れて捨てられ、草木の根もとは美しくならない。七十二日で終わる。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
『管子』五行日至りて、甲子を睹れば木行御す。天子令を出だし、左右の士師に命じて内御せしめ、爵を總べ別ち列し、賢不肖の士吏を論じ、秘を賦し賞を四境の内に賜い、故粟を發するに田數を以てし、國衡を出だし、山林に順い、民の木を斬るを禁ずるは、草木を愛する所以なり。然らば則ち水解けて凍釋け、草木區萌し、蟄蟲を贖い、卵菱春に辟きて時を勿にせず、苗は本に足り、雛鷇を癘まず、麑䴠を夭せず、傅速する毋く、繦褓を傷なう亡し、時なれば則ち凋まず。七十二日にして畢わる。
-
『管子』五行壬子を睹れば、水行御す。天子令を出だし、左右に命じて人をして内御せしむ。其の氣を御して足れば則ち發して止め、其の氣足らざれば則ち發きて瀆盜賊し、數々竹箭を劋り、檀柘を伐り、民に令して出でて禽獸を獵らしめ、巨少を釋かずして之を殺すは、天地の閉藏する所を貴ぶ所以なり。然らば則ち羽卵なる者は段えず、毛胎なる者は婦せず銷弃せず、草木の根本美なり。七十二日にして畢わる。
-
『管子』五行戊子を睹れば、土行御す。天子令を出だし、左右の司徒に命じて内御せしめ、誅せず貞せず、農事を敬と為し、大いに惠を言い、刑死を寛くし、罪人を緩くす。國を出でて、司徒は令して民の功力に順い、以て五榖を養わしめ、君子は静かに居りて、農夫は其の功力を脩めて極む。然らば則ち天は粤宛と為り、草木養長し、五榖蕃り實り秀で大に、六畜犧牲具わり、民は財に足り、國は富み、上下親しみ、諸侯和す。七十二日にして畢わる。
-
『管子』五行丙子を睹れば、火行御す。天子令を出だし、行人に命じて内御せしめ、溝澮を掘り、舊塗を津し、臧を發きて君に任じ賞を賜わしむ。君子は游馳を脩めて以て地氣を發し、皮幣を出だし、行人に命じて春秋の禮を天下の諸侯に脩め、天下に通じ、遇う者兼ね和す。然らば則ち天に疾風無く、草木發奮し、鬱氣息み、民疾まずして榮華蕃る。七十二日にして畢わる。
-
『管子』五行庚子を睹れば、金行御す。天子令を出だし、祝宗に命じて禽獸の禁を選び、五榖の先に熟する者を、之を祖廟と五祀とに薦めしむ。鬼神は其の氣を饗け、君子は其の味を食す。然らば則ち涼風至り、白露下る。天子令を出だし、左右の司馬に命じて組甲を衍べ兵を厲ぎ、什を合わせて伍と為し、以て四境の内に脩め、諛然として民に事有るを告ぐるは、天地の殺斂を待つ所以なり。然らば則ち晝は陽に炙り、夕には露下り、地は競いて環り、五榖は鄰りて熟し、草木は茂る。實に嵗農豐かに、年大いに茂る。七十二日にして畢わる。
-
『淮南子』天文訓壬午に冬至し、甲子制を受け、木事を用い、火煙青し。七十二日にして丙子制を受け、火事を用い、火煙赤し。七十二日にして戊子制を受け、土事を用い、火煙黃なり。七十二日にして庚子制を受け、金事を用い、火煙白し。七十二日にして壬子制を受け、水事を用い、火煙黑し。七十二日にして歲終わり、庚子制を受く。歲ごとに六日を遷し、數を以て之を推せば、七十歲にして復た甲子に至る。甲子制を受くれば則ち柔惠を行い、群禁を挺き、闔扇を開き、障塞を通じ、木を伐る毋かれ。丙子制を受くれば則ち賢良を舉げ、有功を賞し、封侯を立て、貨財を出だす。戊子制を受くれば則ち老鰥寡を養い、糦鬻を行い、恩澤を施す。庚子制を受くれば則ち牆垣を繕い、城郭を修め、群禁を審らかにし、兵甲を飾り、百官を儆め、不法を誅す。壬子制を受くれば則ち門閭を閉じ、大いに客を搜し、刑罰を斷じ、當罪を殺し、關梁を息め、外徙を禁ず。