淮南子 / 天文訓
壬午冬至,甲子受制,木用事,火煙青。七十二日丙子受制,火用事,火煙赤。七十二日戊子受制,土用事,火煙黃。七十二日庚子受制,金用事,火煙白。七十二日壬子受制,水用事,火煙黑。七十二日而歲終,庚子受制。歲遷六日,以數推之,七十歲而復至甲子。甲子受制則行柔惠,挺群禁,開闔扇,通障塞,毋伐木。丙子受制則舉賢良,賞有功,立封侯,出貨財。戊子受制則養老鰥寡,行糦鬻,施恩澤。庚子受制則繕牆垣,修城郭,審群禁,飾兵甲,儆百官,誅不法。壬子受制則閉門閭,大搜客,斷刑罰,殺當罪,息關梁,禁外徙。
新字:壬午冬至,甲子受制,木用事,火煙青。七十二日丙子受制,火用事,火煙赤。七十二日戊子受制,土用事,火煙黄。七十二日庚子受制,金用事,火煙白。七十二日壬子受制,水用事,火煙黒。七十二日而歳終,庚子受制。歳遷六日,以数推之,七十歳而復至甲子。甲子受制則行柔恵,挺群禁,開闔扇,通障塞,毋伐木。丙子受制則舉賢良,賞有功,立封侯,出貨財。戊子受制則養老鰥寡,行糦鬻,施恩沢。庚子受制則繕牆垣,修城郭,審群禁,飾兵甲,儆百官,誅不法。壬子受制則閉門閭,大捜客,断刑罰,殺当罪,息関梁,禁外徙。
書き下し
壬午に冬至し、甲子制を受け、木事を用い、火煙青し。七十二日にして丙子制を受け、火事を用い、火煙赤し。七十二日にして戊子制を受け、土事を用い、火煙黃なり。七十二日にして庚子制を受け、金事を用い、火煙白し。七十二日にして壬子制を受け、水事を用い、火煙黑し。七十二日にして歲終わり、庚子制を受く。歲ごとに六日を遷し、數を以て之を推せば、七十歲にして復た甲子に至る。甲子制を受くれば則ち柔惠を行い、群禁を挺き、闔扇を開き、障塞を通じ、木を伐る毋かれ。丙子制を受くれば則ち賢良を舉げ、有功を賞し、封侯を立て、貨財を出だす。戊子制を受くれば則ち老鰥寡を養い、糦鬻を行い、恩澤を施す。庚子制を受くれば則ち牆垣を繕い、城郭を修め、群禁を審らかにし、兵甲を飾り、百官を儆め、不法を誅す。壬子制を受くれば則ち門閭を閉じ、大いに客を搜し、刑罰を斷じ、當罪を殺し、關梁を息め、外徙を禁ず。
現代語訳
壬午に冬至となり、甲子が支配を受け、木が事を司り、火の煙は青い。七十二日で丙子が支配を受け、火が事を司り、火の煙は赤い。七十二日で戊子が支配を受け、土が事を司り、火の煙は黄色い。七十二日で庚子が支配を受け、金が事を司り、火の煙は白い。七十二日で壬子が支配を受け、水が事を司り、火の煙は黒い。七十二日で一年が終わり、庚子が支配を受ける。年ごとに六日ずつ移り、数で推していけば、七十年でまた甲子に戻る。甲子が支配を受ければ、柔らかく恵み深い政を行い、多くの禁令を緩め、扉を開き、塞がりを通じ、木を伐らせない。丙子が支配を受ければ、賢く善い者を挙げ、功のある者を賞し、諸侯に封じ、財貨を出す。戊子が支配を受ければ、老人ややもめを養い、粥を配り、恩恵を施す。庚子が支配を受ければ、垣を繕い、城郭を修め、禁令をはっきりさせ、武具を整え、百官を戒め、法を犯した者を誅する。壬子が支配を受ければ、門を閉じ、よそ者を大いに調べ、刑罰を裁決し、罪に当たる者を殺し、関所を止め、外への移住を禁じる。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『淮南子』天文訓甲子は氣燥濁、丙子は氣燥陽、戊子は氣溼濁、庚子は氣燥寒、壬子は氣清寒なり。丙子甲子を干せば、蟄蟲早く出づ。故に雷早く行く。戊子甲子を干せば、胎夭え卵毈し、鳥蟲傷つくこと多し。庚子甲子を干せば、兵有り。壬子甲子を干せば、春に霜有り。戊子丙子を干せば、霆あり。庚子丙子を干せば、夷たいらぐ。壬子丙子を干せば、雹あり。甲子丙子を干せば、地動く。庚子戊子を干せば、五穀に殃有り。壬子戊子を干せば、夏寒く雨霜あり。甲子戊子を干せば、介蟲爲らず。丙子戊子を干せば、大旱し、眾封熯く。壬子庚子を干せば、大いに剛く、魚爲らず。甲子庚子を干せば、草木再び死し再び生ず。丙子庚子を干せば、草木復た榮ゆ。戊子庚子を干せば、歲或いは存し或いは亡ぶ。甲子壬子を干せば、冬乃ち藏せず。丙子壬子を干せば、星隊つ。戊子壬子を干せば、蟄蟲冬に其の鄉を出づ。庚子壬子を干せば、冬に其の鄉に雷あり。
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『淮南子』天文訓凡そ日は、甲は剛、乙は柔、丙は剛、丁は柔、以て癸に至る。木は亥に生じ、卯に壯んに、未に死す。三辰皆な木なり。火は寅に生じ、午に壯んに、戌に死す。三辰皆な火なり。土は午に生じ、戌に壯んに、寅に死す。三辰皆な土なり。金は巳に生じ、酉に壯んに、丑に死す。三辰皆な金なり。水は申に生じ、子に壯んに、辰に死す。三辰皆な水なり。故に五は一を生ずるに勝ち、五に壯んに、九に終わる。五九四十五、故に神は四十五日にして一たび徙る。三を以て五に應ず。故に八たび徙りて歲終わる。
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『淮南子』天文訓夏日至れば則ち陰陽に乘ず。是を以て萬物就きて死す。冬日至れば則ち陽陰に乘ず。是を以て萬物仰ぎて生ず。晝なる者は陽の分、夜なる者は陰の分なり。是を以て陽氣勝てば則ち日修くして夜短く、陰氣勝てば則ち日短くして夜修し。帝四維を張り、之を運らすに斗を以てす。月ごとに一辰を徙り、復た其の所に反る。正月は寅を指し、十二月は丑を指し、一歲にして匝り、終わりて復た始まる。寅を指せば、則ち萬物螾螾たるなり、律は太蔟を受く。太蔟なる者は、蔟りて未だ出でざるなり。卯を指せば、卯は則ち茂茂然たり、律は夾鐘を受く。夾鐘なる者は、種始めて莢するなり。辰を指せば、辰は則ち之を振るうなり、律は姑洗を受く。姑洗なる者は、陳きもの去りて新しきもの來たるなり。巳を指せば、巳は則ち生已に定まるなり、律は仲呂を受く。仲呂なる者は、中充ちて大なるなり。午を指せば、午なる者は、忤なり、律は蕤賓を受く。蕤賓なる者は、安んじて服するなり。未を指せば、未は、昧なり、律は林鐘を受く。林鐘なる者は、引きて止むるなり。申を指せば、申なる者は、之を呻くなり、律は夷則を受く。夷則なる者は、其の則を易うるなり、德以て去るなり。酉を指せば、酉なる者は、飽なり、律は南呂を受く。南呂なる者は、任じて大を包むなり。戌を指せば、戌なる者は、滅なり、律は無射を受く。無射は、入りて厭く無きなり。亥を指せば、亥なる者は、閡なり、律は應鐘を受く。應鐘なる者は、其の鐘に應ずるなり。子を指せば、子なる者は、茲なり、律は黃鐘を受く。黃鐘なる者は、鐘已に黃なるなり。丑を指せば、丑なる者は、紐なり、律は大呂を受く。大呂なる者は、旅旅として去るなり。其の卯酉に加うれば、則ち陰陽分かれ、日夜平らかなり。故に曰く、規は生じ矩は殺し、衡は長じ權は藏し、繩は中央に居りて、四時の根と為る、と。
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『淮南子』天文訓太陰四仲に在れば、則ち歲星三宿を行く。太陰四鉤に在れば、則ち歲星二宿を行く。二八十六、三四十二、故に十二歳にして二十八宿を行く。日に十二分度の一を行き、歲に三十度と十六分度の七を行き、十二歳にして周る。熒惑は常に十月を以て太微に入り、制を受けて出でて宿を列ね行き、無道の國を司り、亂を為し賊を為し、疾を為し喪を為し、饑を為し兵を為す。出入常無く、其の色を辯變し、時に見れ時に匿る。鎮星は甲寅の元を以て始めて斗に建ち、歲に一宿を鎮行す。當に居るべくして居らざれば、其の國土を亡う。未だ當に居るべからずして之に居れば、其の國地を益し、歲熟す。日に二十八分度の一を行き、歲に十三度と百一十二分度の五を行き、二十八歳にして周る。太白は元始正月を以て寅に建ち、熒惑と晨に東方に出で、二百四十日にして入り、入りて百二十日にして夕べに西方に出で、二百四十日にして入り、入りて三十五日にして復た東方に出づ。出づるに辰戌を以てし、入るに丑未を以てす。當に出づべくして出でず、未だ當に入るべからずして入れば、天下兵を偃す。當に入るべくして入らず、當に出づべくして出でざれば、天下兵を興す。辰星は四時を正す。常に二月春分を以て奎・婁に效し、五月夏至を以て東井・輿鬼に效し、八月秋分を以て角・亢に效し、十一月冬至を以て斗・牽牛に效す。出づるに辰戌を以てし、入るに丑未を以てす。出でて二旬にして入る。晨には之を東方に候い、夕べには之を西方に候う。一時出でざれば、其の時和せず。四時出でざれば、天下大いに飢う。
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『淮南子』天文訓甲は齊、乙は東夷、丙は楚、丁は南夷、戊は魏、己は韓、庚は秦、辛は西夷、壬は衛、癸は越、子は周、丑は翟、寅は楚、卯は鄭、辰は晉、巳は衛、午は秦、未は宋、申は齊、酉は魯、戌は趙、亥は燕なり。甲乙寅卯は、木なり。丙丁巳午は、火なり。戊己四季は、土なり。庚辛申酉は、金なり。壬癸亥子は、水なり。水は木を生じ、木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生ず。子母を生ずるを義と曰い、母子を生ずるを保と曰い、子母相い得るを專と曰い、母子に勝つを制と曰い、子母に勝つを困と曰う。
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『淮南子』天文訓斗杓を小歲と為し、正月寅に建ち、月ごとに左に從いて十二辰を行く。咸池を太歲と為し、二月卯に建ち、月ごとに右に從いて四仲を行き、終わりて復た始まる。太歲は迎うる者は辱められ、背く者は強く、左する者は衰え、右する者は昌んなり。小歲は東南すれば則ち生じ、西北すれば則ち殺す。迎う可からずして背く可きなり、左す可からずして右す可きなり。其れ此の謂いなり。大時なる者は、咸池なり。小時なる者は、月建なり。天維元を建つるは、常に寅を以て始起し、右に徙りて一歲にして移り、十二歲にして大いに天を周り、終わりて復た始まる。淮南元年の冬、太一は丙子に在り、冬至は甲午、立春は丙子なり。二陰一陽は氣二を成し、二陽一陰は氣三を成す。氣を合わせて音と為し、陰を合わせて陽と為し、陽を合わせて律と為す。故に五音六律と曰う。音は自ら倍して日と為り、律は自ら倍して辰と為る。故に日は十にして辰は十二なり。月は日に十三度と七十六分度の二十六を行き、二十九日と九百四十分日の四百九十九にして月と為し、十二月を以て歲と為す。歲に餘り十日と九百四十分日の八百二十七有り。故に十九歲にして七たび閏す。日は冬至に子午、夏至に卯酉。冬至に三日を加うれば、則ち夏至の日なり。歲ごとに六日を遷し、終わりて復た始まる。