管子 / 五行
昔者黄帝得蚩尤而明於天道,得大常而察於地利,得奢龍而辯於東方,得祝融而辯於南方,得大封而辯於西方,得后土而辯於北方。黄帝得六相而天地治,神明至。蚩尤明乎天道,故使為當時。大常察乎地利,故使為廩者;奢龍辨乎東方,故使為土師;祝融辨乎南方,故使為司徒;大封辨於西方,故使為司馬;后土辨乎北方,故使為李。是故春者土師也,夏者司徒也,秋者司馬也,冬者李也。昔黄帝以其緩急作五聲,以政五鍾。令其五鍾:一曰青鍾,大音;二曰赤鍾,重心;三曰黄鍾,灑光;四曰景鍾,昧其明;五曰黒鍾,隱其常。五聲旣調,然後作立五行,以正天時,五官以正人位。人與天調,然後天地之美生。
新字:昔者黄帝得蚩尤而明於天道,得大常而察於地利,得奢竜而弁於東方,得祝融而弁於南方,得大封而弁於西方,得后土而弁於北方。黄帝得六相而天地治,神明至。蚩尤明乎天道,故使為当時。大常察乎地利,故使為廩者;奢竜弁乎東方,故使為土師;祝融弁乎南方,故使為司徒;大封弁於西方,故使為司馬;后土弁乎北方,故使為李。是故春者土師也,夏者司徒也,秋者司馬也,冬者李也。昔黄帝以其緩急作五声,以政五鍾。令其五鍾:一曰青鍾,大音;二曰赤鍾,重心;三曰黄鍾,灑光;四曰景鍾,昧其明;五曰黒鍾,隠其常。五声既調,然後作立五行,以正天時,五官以正人位。人与天調,然後天地之美生。
書き下し
昔者黄帝は蚩尤を得て天道に明らかに、大常を得て地利に察かに、奢龍を得て東方に辯じ、祝融を得て南方に辯じ、大封を得て西方に辯じ、后土を得て北方に辯ず。黄帝六相を得て天地治まり、神明至る。蚩尤は天道に明らかなり、故に當時と為さしむ。大常は地利に察かなり、故に廩者と為さしむ。奢龍は東方を辨ず、故に土師と為さしむ。祝融は南方を辨ず、故に司徒と為さしむ。大封は西方を辨ず、故に司馬と為さしむ。后土は北方を辨ず、故に李と為さしむ。是の故に春は土師なり、夏は司徒なり、秋は司馬なり、冬は李なり。昔黄帝は其の緩急を以て五聲を作り、以て五鍾を政む。其の五鍾に令す。一に曰く青鍾、大音。二に曰く赤鍾、重心。三に曰く黄鍾、灑光。四に曰く景鍾、其の明を昧くす。五に曰く黒鍾、其の常を隱す。五聲既に調いて、然る後に立てて五行を作り、以て天時を正し、五官以て人位を正す。人と天と調いて、然る後に天地の美生ず。
現代語訳
昔、黄帝は蚩尤を得て天の道に明るくなり、大常を得て地の利に詳しくなり、奢龍を得て東方に通じ、祝融を得て南方に通じ、大封を得て西方に通じ、后土を得て北方に通じた。黄帝は六人の相を得て天地が治まり、神明が至った。蚩尤は天の道に明るいので、時を当てる役にした。大常は地の利に詳しいので、倉を司る役にした。奢龍は東方に通じるので土師にした。祝融は南方に通じるので司徒にした。大封は西方に通じるので司馬にした。后土は北方に通じるので李にした。だから春は土師、夏は司徒、秋は司馬、冬は李である。昔、黄帝はその緩急によって五つの声を作り、五つの鐘を整えた。その五つの鐘に名を与えた。一を青鐘といい、大きな音である。二を赤鐘といい、心を重くする。三を黄鐘といい、光を注ぐ。四を景鐘といい、その明るさを暗くする。五を黒鐘といい、その常を隠す。五つの声が整ってから、五行を立てて天の時を正し、五官によって人の位を正した。人と天が調って、そのうえで天地の美しさが生まれる。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
『淮南子』天文訓何をか五星と謂う。東方は、木なり。其の帝は太皞、其の佐は句芒、規を執りて春を治む。其の神は歲星と為り、其の獸は蒼龍、其の音は角、其の日は甲乙。南方は、火なり。其の帝は炎帝、其の佐は朱明、衡を執りて夏を治む。其の神は熒惑と為り、其の獸は朱鳥、其の音は徵、其の日は丙丁。中央は、土なり。其の帝は黃帝、其の佐は后土、繩を執りて四方を制す。其の神は鎮星と為り、其の獸は黃龍、其の音は宮、其の日は戊己。西方は、金なり。其の帝は少昊、其の佐は蓐收、矩を執りて秋を治む。其の神は太白と為り、其の獸は白虎、其の音は商、其の日は庚辛。北方は、水なり。其の帝は顓頊、其の佐は玄冥、權を執りて冬を治む。其の神は辰星と為り、其の獸は玄武、其の音は羽、其の日は壬癸。
-
『管子』五行一なる者は本なり、二なる者は器なり、三なる者は充なり、治むる者は四なり、敎うる者は五なり、守る者は六なり、立つる者は七なり、前なる者は八なり、終わる者は九なり、十なる者は然る後に五官を六府に具え、五聲を六律に具うるなり。六月にして日至る、是の故に人に六多有り、六多は天地を街く所以なり。天道は九を以て制し、地理は八を以て制し、人道は六を以て制す。天を以て父と為し、地を以て母と為し、以て萬物に開き、以て一統に總ぶ。九制・六府・三充に通じて明天子と為る。槩水を脩め、上は以て天堇を待つ。五藏に反りて以て親しまざるを視る。祀を治めて之をし、下は以て地位を觀る。神廬に貨曋し、精氣に合す。已に合して常有り、常有りて經有り。審らかに其の聲を合わせ、十二鐘を脩めて以て人情を律す。人情已に得て、萬物に極有り、然る後に德有り。故に陽氣に通ずるは、天に事うる所以なり、日月を經緯して、之を民に用う。隂氣に通ずるは、地に事うる所以なり、星厯を經緯して以て其の離を視る。道の若きに通じて然る後に行有り。然らば則ち神筮も靈ならず、神も卜せず、黄帝の澤叅、治の至りなり。
-
五行大義・第二十一論五帝遂古(すいこ)以来、論ずる所の五帝は、凡そ三種有り。河図に云う、東方の青帝は霊威仰(れいいぎょう)、木帝なり。南方の赤帝は赤熛怒(せきひょうど)、火帝なり。中央の黄帝は含枢紐(がんすうちゅう)、土帝なり。西方の白帝は白招拒(はくしょうきょ)、金帝なり。北方の黒帝は叶光紀(きょうこうき)、水帝なり、と。陶華陽云う、皇伯・皇仲・皇叔・皇季・皇少の兄弟五人有り、即ち霊威仰等なり。此の五帝は、並びに天上の神にして、下りて世を治め、神鬼を綜理し、次第に相接す。太微宮を治め、その精は五帝の座と為る。五星は王に随いて気を受く。即ち明堂に祭る所の者なり、と。故に云う、文王を明堂に宗祀して、以て上帝に配す、と。礼記に曰く、春の月、その帝は大皥(たいこう)。夏の月、その帝は炎帝。中央は土、その帝は黄帝。秋の月、その帝は少皥。冬の月、その帝は顓頊(せんぎょく)、と。東方の大昊は庖羲氏(ほうぎし)、春を主る、蒼精の君なり。南方の炎帝は神農氏、夏を主る、赤精の君なり。中央の黄帝は軒轅氏、四季を主る、黄精の君なり。西方の白帝は金天氏、秋を主る、白精の君なり。北方の黒帝は顓頊氏、冬を主る、黒精の君なり。易に曰く、帝は震に出づ、と。此れ蓋し人帝の始めにして、伏羲に始まる。五行の次は木を以て先と為し、四時の相易(か)わるは春を以て首と為す。故に庖羲は五帝の先たるなり。又諸史は少昊・顓頊・高辛・唐・虞を以て、之を五帝と謂う。此れ蓋し舜より以前、五行相承けて帝たるなり。
-
『長短経』君徳昔、季康子、五帝の徳を孔子に問う。孔子曰く「天に五行有り。木・火・金・水及び土なり。時を分かち化育を賛け、以て物を成す」と。〔一歳三百六十日、五行は行ごとに七十二日、化生長育す。〕其の神を五帝と為す。〔五帝は五行の神なり。〕古の王者、代を易え号を改むるに、法を五行に取る。五行更わる王たり、終始相い生ず。亦た其の義に象る。故に其の生きて明王為る者は、死して五行に配す。是を以て太皡は木に配し、〔勾芒は木正と為すなり。〕炎帝は火に配し、〔祝融は火正と為すなり。〕少皥は金に配し、〔蓐収は金正と為すなり。〕顓頊は水に配し、〔玄冥は水正と為すなり。〕黄帝は土に配す。〔后土は土正と為すなり。〕
-
呂氏春秋・季夏⑧中央は土なり。其の日は戊己、其の帝は黃帝、其の神は后土、其の蟲は倮、其の音は宮、律は黃鐘の宮に中る。其の數は五、其の味は甘、其の臭は香、其の祀は中霤、祭るには心を先にす。天子は太廟の太室に居り、大輅に乘り、黃駵を駕し、黃旂を載て、黃衣を衣、黃玉を服び、稷と牛とを食らう。其の器は圜にして以て揜なり。
-
五行大義・第一釈名・第一釈五行名其の時は季夏。季は老なり。万物此に於いて成就し、方(まさ)に老ゆ。四時の季に王たり、故に老と曰うなり。其の位は内に処る。内は通なり。礼斗威儀(れいとい ぎ)に云う、「皇極の正気を得、黄中の徳を含み、能く万物を苞(つつ)む」と。許慎云う、「金は禁なり。陰気始めて起こり、万物禁止するなり。土、金を生ず、字は土に従い、左右の注は、金の土中に在るの形に象るなり」と。其の時は秋なり。礼記に云う、「秋の言たる愁なり。之を愁えしむるに時を以て察し、義を守る者なり」と。尸子云う、「秋は粛なり。万物粛敬恭荘せざる莫し。礼の主なり」と。説文に曰く、「天地、物を反すを秋と為す」と。其の位は西方。尚書大伝に云う、「西は鮮なり。鮮は訊なり。訊とは始めて入るの貌なり」と。釈名・広雅・白虎通、皆曰く、「水は準なり。万物を平準す」と。元命苞に曰く、「水の言たる演なり。陰化して淖濡(とうじゅ)し、流施して潜行するなり」と。故に字を立つるに、両人交わり、一の中より出づる者を水と為す。一は数の始めなり。両人は男女に譬う。陰陽交わりて以て一を起こすなり。水は五行の始め、元気の湊液(そうえき)なり。管子に云う、「水は地の血気、筋脈の通流する者なり」と。故に水と曰う。許慎云う、「其の字は泉の並び流るるに象り、中に微陽の気有り」と。其の時は冬。尸子云う、「冬は終なり。万物此に至りて終わり蔵(かく)るるなり」と。礼記に云う、「冬の言たる中なり。中は蔵なり」と。其の位は北方。尸子云う、「北は伏なり。万物冬に至りて皆伏し、貴賤一の若きなり」と。五行の時及び方位、故に分かちて之を釈す。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る