管子 / 水地
集於天地,而藏於萬物;產於金石,集於諸生,故曰水神。集於草木,根得其度,華得其數,實得其量。鳥獸得之,形體肥大,羽毛豐茂,文理明著。萬物莫不盡其幾,反其常者,水之内度適也。夫玉之所貴者,九德出焉。夫玉温潤以澤,仁也;鄰以理者,知也;堅而不蹙,義也;廉而不劌,行也;鮮而不垢,潔也;折而不撓,勇也;瑕適皆見,精也;茂華光澤,竝通而不相陵,容也。叩之,其音清搏徹逺,純而不殺,辭也。是以人主貴之,藏以為寶,剖以為符瑞,九德出焉。
新字:集於天地,而蔵於万物;産於金石,集於諸生,故曰水神。集於草木,根得其度,華得其数,実得其量。鳥獣得之,形体肥大,羽毛豊茂,文理明著。万物莫不尽其幾,反其常者,水之内度適也。夫玉之所貴者,九徳出焉。夫玉温潤以沢,仁也;鄰以理者,知也;堅而不蹙,義也;廉而不劌,行也;鮮而不垢,潔也;折而不撓,勇也;瑕適皆見,精也;茂華光沢,並通而不相陵,容也。叩之,其音清搏徹遠,純而不殺,辞也。是以人主貴之,蔵以為宝,剖以為符瑞,九徳出焉。
書き下し
天地に集まりて、萬物に藏まる。金石に產し、諸生に集まる、故に水神と曰う。草木に集まれば、根は其の度を得、華は其の數を得、實は其の量を得。鳥獸之を得れば、形體肥大し、羽毛豐茂し、文理明著なり。萬物其の幾を盡くし、其の常に反らざるは莫きは、水の内度適えばなり。夫れ玉の貴ばるる所以の者は、九德焉に出づればなり。夫れ玉は温潤にして以て澤あり、仁なり。鄰りて理を以てする者は、知なり。堅くして蹙まざるは、義なり。廉にして劌らざるは、行なり。鮮やかにして垢つかざるは、潔なり。折れて撓まざるは、勇なり。瑕適皆な見るるは、精なり。茂華光澤あり、竝び通じて相陵がざるは、容なり。之を叩けば、其の音清搏として逺くに徹り、純にして殺がざるは、辭なり。是を以て人主之を貴び、藏して以て寶と為し、剖きて以て符瑞と為す、九德焉に出づ。
現代語訳
天地に集まって万物に蔵まり、金や石から生まれ、生きるものに集まる。だから水を神という。草木に集まれば、根はその度を得、花はその数を得、実はその量を得る。鳥獣がそれを得れば、体は太り、羽毛は豊かに茂り、模様ははっきり現れる。万物がその働きを尽くし、常に立ち返らないものがないのは、水が内側の度合いにかなっているからである。玉が貴ばれるのは、九つの徳がそこから出るからである。玉は温かくうるおい艶がある。これが仁である。隣り合って筋目が通っている。これが知である。堅くて縮まない。これが義である。角があっても人を傷つけない。これが行である。鮮やかで垢がつかない。これが潔である。折れても撓まない。これが勇である。傷も良いところもみな見える。これが精である。豊かな輝きがあり、並んで通じ合って互いを侵さない。これが容である。叩けばその音は清く澄んで遠くまで届き、純粋で途中で削がれない。これが辞である。だから主はこれを貴び、蔵めて宝とし、割いて印とする。九つの徳がここから出る。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『管子』水地地なる者は、萬物の本原、諸生の根菀なり、美惡賢不肖愚俊の生ずる所なり。水なる者は、地の血氣、筋脈の通流するが如き者なり。故に曰く、水は材を具うと。何を以て其の然るを知るや。曰く、夫れ水は、淖弱にして以て清く、而して好く人の惡を灑ぐ、仁なり。之を視れば黒くして白し、精なり。之を量るに槪をして滿つるに至りて止まらしむ可からず、正なり。唯だ流れざる無く、平らかに至りて止まる、義なり。人皆な高きに赴くに、已獨り下きに赴く、卑なり。卑なる者は、道の室、王者の器なり、而して水以て都居と為す。準なる者は、五量の宗なり。素なる者は、五色の質なり。淡なる者は、五味の中なり。是を以て水なる者は、萬物の準なり、諸生の淡なり、違非得失の質なり、是を以て滿たざる無く、居らざる無きなり。
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『管子』水地是を以て水の精、麤濁蹇にして、能く存して亡ぶ能わざる者は、人と玉とを生ず。伏し闇くして能く存し能く亡ぶる者は、蓍と龍となり。或いは世に見れ、或いは見れざる者は、蟡と慶忌となり。故に人皆な之を服して、管子は之に則る。人皆な之を有して、管子は之を以てす。
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『管子』水地是の故に具なる者は何ぞや。水是れなり。萬物以て生ぜざるは莫し、唯だ其の託する所を知る者のみ能く之が正を為す。具なる者は、水是れなり。故に曰く、水なる者は何ぞや。萬物の本原なり、諸生の宗室なり、美惡賢不肖愚俊の產する所なり。何を以て其の然るを知るや。夫れ齊の水は道躁にして復す、故に其の民は貪麤にして勇を好む。楚の水は淖弱にして清し、故に其の民は輕果にして賊なり。越の水は濁重にして洎す、故に其の民は愚疾にして垢し。秦の水は泔最にして稽り、滯りて雜なり、故に其の民は貪戾、㒺にして事を好みて齊し。晉の水は枯旱にして運り、墆りて雜なり、故に其の民は諂諛葆詐、巧佞にして利を好む。燕の水は萃下にして弱く、沈滯して襍なり、故に其の民は愚戇にして貞を好み、輕疾にして死し易し。宋の水は輕勁にして清し、故に其の民は閒易にして正を好む。是を以て聖人の世を化するや、其の解は水に在り。故に水一なれば則ち人心正しく、水清ければ則ち民心易し。一なれば則ち欲汚れず、民心易ければ則ち行い邪無し。是を以て聖人の世を治むるや、人ごとに告げざるなり、戸ごとに説かざるなり、其の樞は水に在り。
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説苑・雜言玉に六美有り、君子之を貴ぶ。之を望めば温潤、之に近づけば栗理、声は徐きに近くして遠くに聞こえ、折るるも撓まず、闕くるも荏らず、廉にして劌わず、瑕有れば必ず之を外に示す、是を以て之を貴ぶなり。之を望みて温潤なる者は、君子徳に比す。栗理に近き者は、君子智に比す。声徐きに近くして遠くに聞こゆる者は、君子義に比す。折るるも撓まず、闕くるも荏らざる者は、君子勇に比す。廉にして劌わざる者は、君子仁に比す。瑕有れば必ず外に見わるる者は、君子情に比す。
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孔子家語・問玉子貢孔子に問いて曰く、「敢えて問う、君子玉を貴びて珉を賤しむは、何ぞや。玉の寡くして珉の多きが為めか。」孔子曰く、「玉の寡きが為に、故に之を貴ぶに非ず。珉の多きが故に、之を賤しむなり。夫れ昔者君子德を玉に比す。溫潤にして澤あるは、仁なり。縝密にして栗たるは、智なり。廉にして劌わざるは、義なり。之を垂るること墜つるがごときは、禮なり。之を叩けば、其の聲清越にして長く、其の終わりは則ち詘然たり、樂なり。瑕瑜を掩わず、瑜瑕を掩わざるは、忠なり。孚尹旁達するは、信なり。氣白虹のごときは、天なり。精神山川に見わるるは、地なり。圭璋特達するは、德なり。天下貴ばざる莫き者は、道なり。詩に云う、『言に君子を念う、溫として其れ玉のごとし。』故に君子之を貴ぶなり。」
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『管子』水地人は、水なり。男女の精氣合して水流れて形をなす。三月にして咀の如し。咀とは何ぞや。曰く五味なり。五味とは何ぞや。曰く五藏なり。酸は脾を主り、鹹は肺を主り、辛は腎を主り、苦は肝を主り、甘は心を主る。五藏已に具わりて、而る後に肉を生ず。脾は隔を生じ、肺は骨を生じ、腎は腦を生じ、肝は革を生じ、心は肉を生ず。五肉已に具わりて、而る後に發して九竅と為る。脾は發して鼻と為り、肝は發して目と為り、腎は發して耳と為り、肺は發して竅と為る。五月にして成り、十月にして生まる。生まれて目視、耳聽、心慮す。目の視る所以は、特に山陵の見ゆるのみに非ず、荒忽に察かなり。耳の聽く所は、特に雷鼔の聞こゆるのみに非ず、淑湫に察かなり。心の慮る所は、特に麤麤を知るのみに非ず、微眇に察かなり、故に要の精を修む。是を以て水は玉に集まりて、九德焉に出づ。凝蹇して人と為りて、九竅五慮出づ。此れ乃ち其の精なり。精麤濁蹇にして、能く存して亡ぶ能わざる者なり。