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管子 / 白心

左者,出者也;右者,入者也。出者而不傷人,入者自傷也。不日不月而事以從,不卜不筮而謹知吉凶。是謂寛乎形徒居而致名。去善之言,為善之事,事成而顧反無名。能者無名從事無事。審量出入,而觀物所載。孰能法無法乎?始無始乎?終無終乎?弱無弱乎?故曰:美哉岪岪。故曰:有中有中,孰能得夫中之衷乎?故曰:功成者隳,名成者虧。故曰:孰能弃名與功,而還與衆人同?孰能弃功與名,而還反無成?無成有貴其成也,有成貴其無成也。日極則仄,月滿則虧。極之徒仄,滿之徒虧,巨之徒滅。孰能已無己乎?效夫天地之紀。

新字:左者,出者也;右者,入者也。出者而不傷人,入者自傷也。不日不月而事以従,不卜不筮而謹知吉凶。是謂寛乎形徒居而致名。去善之言,為善之事,事成而顧反無名。能者無名従事無事。審量出入,而観物所載。孰能法無法乎?始無始乎?終無終乎?弱無弱乎?故曰:美哉岪岪。故曰:有中有中,孰能得夫中之衷乎?故曰:功成者隳,名成者虧。故曰:孰能弃名与功,而還与衆人同?孰能弃功与名,而還反無成?無成有貴其成也,有成貴其無成也。日極則仄,月満則虧。極之徒仄,満之徒虧,巨之徒滅。孰能已無己乎?効夫天地之紀。

書き下し

左なる者は、出づる者なり。右なる者は、入る者なり。出づる者にして人を傷つけざれば、入る者自ら傷つくなり。日ならず月ならずして事以て從い、卜せず筮せずして謹みて吉凶を知る。是を寛乎たる形と謂い、徒だ居て名を致す。善を去るの言、善を為すの事、事成りて顧みて反りて名無し。能なる者は名無く、事に從いて事無し。出入を審量して、物の載する所を觀る。孰か能く法として法無からんや。始めて始め無からんや。終わりて終わり無からんや。弱くして弱き無からんや。故に曰く、美なるかな岪岪たりと。故に曰く、中有り中有り、孰か能く夫の中の衷を得んやと。故に曰く、功成る者は隳れ、名成る者は虧くと。故に曰く、孰か能く名と功とを弃てて、還りて衆人と同じからんやと。孰か能く功と名とを弃てて、還り反りて成る無からんや。成る無きは其の成るを貴ぶ有り、成る有るは其の成る無きを貴ぶなり。日極まれば則ち仄き、月滿つれば則ち虧く。極の徒は仄き、滿の徒は虧け、巨の徒は滅ぶ。孰か能く已みて己無からんや。夫の天地の紀に效え。

現代語訳

左は出ていくもの、右は入ってくるものである。出ていくものが人を傷つけなければ、入ってくるものが自分を傷つける。日を選ばず月を選ばずに事が従い、占わずに慎んで吉凶を知る。これをゆったりとした形といい、ただ居るだけで名が届く。善を語らないでいて善を行い、事が成ってから振り返れば名は残っていない。能ある者には名がなく、事に当たっても事にしない。出入りをよく量って、物が載せているものを見る。誰が法をもって法をなくせるか。始めて始まりをなくせるか。終わって終わりをなくせるか。弱くして弱さをなくせるか。だから言う、美しいものだ、と。だから言う、中があり中がある、誰がその中のさらに中を得られようか、と。だから言う、功が成れば崩れ、名が成れば欠ける、と。だから言う、誰が名と功を捨てて、ふつうの人と同じところへ戻れようか、と。誰が功と名を捨てて、成るものがないところへ帰れようか。成るものがない者は、その成ることを貴ぶ。成るものがある者は、その成らないことを貴ぶ。日は極まれば傾き、月は満ちれば欠ける。極みの類は傾き、満ちる類は欠け、巨大な類は滅びる。誰が、やめて自分をなくせようか。天地の筋にならうことだ。

解説

功が成れば崩れ、名が成れば欠ける。日は極まれば傾き、月は満ちれば欠ける。頂点そのものが下り坂の合図だ、という段です。だから問いは、名と功を捨ててふつうの人に戻れるか、になりました。善を語らずに善を行い、成ってから振り返れば名が残っていない。能ある者に名がない、というのがこの篇の理想です。

この章句が説くこと

出づる者にして人を傷つけざれば入る者自ら傷つくなり善を去るの言善を為すの事事成りて顧みて反りて名無し功成る者は隳れ名成る者は虧く日極まれば則ち仄き月満つれば則ち虧く頂点

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