管子 / 侈靡
「是故之時陳財之道,可以行今也。利散而民察,必放之身然後行。」公曰:「謂何?」「長喪以毁其時,重送葬以起身財。一親往,一親來,所以合親也,此謂衆約。」問:「用之若何?」「巨瘞堷,所以使貧民也。美壟墓,所以文明也。巨棺槨,所以起木工也。多衣衾,所以起女工也。猶不盡,故有次浮也。有差樊,有瘞藏,作此相食,然後民相利,守戰之備合矣。
新字:「是故之時陳財之道,可以行今也。利散而民察,必放之身然後行。」公曰:「謂何?」「長喪以毁其時,重送葬以起身財。一親往,一親来,所以合親也,此謂衆約。」問:「用之若何?」「巨瘞堷,所以使貧民也。美壟墓,所以文明也。巨棺槨,所以起木工也。多衣衾,所以起女工也。猶不尽,故有次浮也。有差樊,有瘞蔵,作此相食,然後民相利,守戦之備合矣。
書き下し
「是の故に時に財を陳ぬるの道は、以て今に行う可きなり。利散じて民察かなり、必ず之を身に放きて然る後に行う」と。公曰く、「何をか謂う」と。「喪を長くして以て其の時を毁ち、送葬を重くして以て身財を起こす。一たび親往き、一たび親來たる、親を合わす所以なり、此れを衆約と謂う」と。問う、「之を用うるは若何」と。「瘞堷を巨にするは、貧民を使う所以なり。壟墓を美にするは、明を文る所以なり。棺槨を巨にするは、木工を起こす所以なり。衣衾を多くするは、女工を起こす所以なり。猶お盡きざれば、故に次浮有るなり。差樊有り、瘞藏有り、此を作して相食み、然る後に民相利し、守戰の備え合わん。
現代語訳
昔の時代に財を並べたやり方は、いまも行える。利が散れば民は目ざとくなる。必ず自分の身に置いてみて、そのうえで行う。公が言った。どういうことか。答えた。喪を長くしてその時を費やし、葬送を重くして身の財を動かす。一方の親が行き、一方の親が来る。親しみを合わせるためであり、これを衆約という。問うた。それをどう使うのか。答えた。墓穴を大きく掘るのは、貧しい民に仕事をさせるためである。塚や墓を美しくするのは、明るさを飾るためである。棺や槨を大きくするのは、木工を起こすためである。衣や衾を多くするのは、女の仕事を起こすためである。それでも足りなければ、次の浮いた仕事がある。区切りの垣もあり、埋める蔵もある。これらを作って互いに食べていき、そのうえで民は互いに利し、守りと戦いの備えが整う。
解説
この章句が説くこと
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『管子』侈靡人死すれば則ち云い易く、生くれば則ち合い難きなり。故に一たびすれば賞と為り、再びすれば常と為り、三たびすれば固然と為る。其れ小しく之を行えば則ち俗なり、之を久しくすれば則ち禮義なり。故に下をして上に當たらしむる無く必ず之を行い、然る後に商人を國に移す、人を用うるに非ざるなり。鄉を擇ばずして處り、君を擇ばずして使い、出づれば則ち利に從い、入れば則ち守らず。國の山林や、則ちて之を利す。市塵の及ぶ所、二たび其の本に依る。故に上侈にして下靡やし、而して君臣相上下す。相親しめば、則ち君臣の財私かに藏せず。然らば則ち貪動き、枳して食を得ん。邑を徙し市を移すも、亦た數の一と為す。
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『管子』侈靡「請う問う、諸侯の化して弊弊たる者は、家なり。家なる者は、人の重んずる所に因りて之を行うを以てす。吾が君長く來たりて獵すれば、君長虎豹の皮用いらる。功力の君には、金玉の幣を上る。戰を好む君には、甲兵を上る。甲兵の本は、必ず田宅に先んず。今吾が君戰わば、則ち請う民の重んずる所を行え。飲食なる者、侈樂なる者は、民の願う所なり。其の欲する所を足し、其の願う所を贍せば、則ち能く之を用うるのみ。今皮を衣て角を冠し、野草を食い、野水を飲ましめば、孰か能く之を用いん。心を傷る者は以て功を致す可からず。故に至味を嘗めて至樂を罷め、而して卵を雕りて然る後に之を瀹で、橑を雕りて然る後に之を㸑ぐ。丹沙の穴塞がらざれば、則ち商賈處らず。富める者は之を靡やし、貧しき者は之を為す。此れ百姓の生を怠るや、百たび振るいて食う、獨り自ら為すに非ざるなり、之が為に化用を畜うるなり。
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『管子』侈靡問いて曰く、「時を興し化するは若何」と。「侈靡より善きは莫し。實有るを賤しみ、用無きを敬えば、則ち人刑す可きなり。故に粟米を賤しみて珠玉を敬うが如くし、禮樂を好みて事業を賤しむが如くするは、本の始めなり。珠なる者は、陰の陽なり、故に火に勝つ。玉なる者は、隂の陰なり、故に水に勝つ。其の化すること神の如し。故に天子は珠玉を臧め、諸侯は金石を臧め、大夫は狗馬を畜い、百姓は布帛を臧む。然らずんば、則ち强き者能く之を守り、智なる者能く之を牧し、貴ぶ所を賤しみて賤しむ所を貴ぶ。然らずんば、鰥寡獨老與に得ず、均しきの始めなり」と。
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『管子』侈靡公曰く、「何若ん」と。對えて曰く、「同を以てす。其の日久しく臨めば、立ちて待つ可し。鬼神明らかならず、囊槖の食報い無きは、厚德を明らかにするなり。沈浮は、財を輕んずるを示すなり。先ず象を立てて期を定むれば、則ち民之に從う、故に禱を為す。朝に縷綿明らかなるは、財を輕んじて名を重んずるなり」と。公曰く、「同じく臨む、所謂同なる者は、其れ先後智を以て渝わる者なり。財を鈞同にし、爭いて依らば則ち説ぶ。十なれば則ち從い服し、萬なれば則ち化す。功を成して識る能わずして民期し、然る後に形を成して名を更むれば、則ち臨まん」と。
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『管子』侈靡鄉俗を殊にし、國禮を異にすれば、則ち民流れず。法を同じくせざれば、則ち民困しまず。鄉丘の老通ぜず、誅流散を覩れば、則ち人眺めず。鄉に安んじ宅を樂しみ、享祭して謳吟し、號を稱する者は皆な誅す、民俗を留むる所以なり。方井田の數を斷ち、乘馬甸の衆、之を制す。陵谿に鬼神を立てて謹みて祭り、皆な能を以て別ちて以て食の數と為すは、本を重んずるを示すなり。故に地廣きこと千里なる者は、禄重くして祭尊し。其の君餘り無し。地の他と一なるが若き者は、從いて之を艾る。君始むる者は艾り、一なるが若き者は殺に從い、殺に與る一なるが若き者なり。從う者は艾り艾り、一なるが若き者は殺に從い、殺に與る一なるが若き者なり。從いて封を無みするに始まり、王事なる者は上る。
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『管子』侈靡「貧と富とを用うるは、何如にして可ならん」と。曰く、「甚だ富めば使う可からず、甚だ貧しければ恥を知らず。水平らかにして流れず、源無ければ則ち遫やかに竭く。雲平らかにして雨甚だしからず、委雲無ければ、雨則ち遫やかに已む。政平らかにして威無ければ則ち行われず、愛して親しむ無ければ則ち流る。左に親しみて用有り、用無ければ則ち之を辟く。若し相為さば、怨を兆す有り。上短く下長く、度無くして用うれば、則ち本を危うくす。稱わずして祀り、譚りて祖を次でば、詛を犯し盟を渝えて言を傷る。祖禰を敬うは、始めを尊ぶなり。齊約の信は、行を論ずるなり。天地の理を尊ぶは、威を論ずる所以なり。薄德の君の府囊なり、必ず形を成すに因りて人に論ず、此れ政の行わるるなり、以て王たる可けんや」と。