管子 / 侈靡
「强與短而立齊,國之若何?」「高予之名而舉之,重予之官而危之,因責其能以隨之。猶傶則疎之,毋使人圖之。猶疎則數之,毋使人曲之。此所以為之也。」「大有臣甚大,將反為害。吾欲優患除害,將小能察大,為之奈何?」「潭根之,毋伐。固事之,毋入。深之,毋涸。不儀之,毋助。章明之,毋滅。生榮之,毋失。十言者不勝此一,雖凶必吉。故平以滿。」「無事而總,以待有事而為之,若何?」「積者立餘日而侈,美車馬而馳,多酒醴而靡,千嵗毋出食,此謂本事。」
新字:「强与短而立斉,国之若何?」「高予之名而舉之,重予之官而危之,因責其能以随之。猶傶則疎之,毋使人図之。猶疎則数之,毋使人曲之。此所以為之也。」「大有臣甚大,将反為害。吾欲優患除害,将小能察大,為之奈何?」「潭根之,毋伐。固事之,毋入。深之,毋涸。不儀之,毋助。章明之,毋滅。生栄之,毋失。十言者不勝此一,雖凶必吉。故平以満。」「無事而総,以待有事而為之,若何?」「積者立余日而侈,美車馬而馳,多酒醴而靡,千歳毋出食,此謂本事。」
書き下し
「强と短とを齊しく立つるは、國の若何」と。「高く之に名を予えて之を舉げ、重く之に官を予えて之を危うくし、因りて其の能を責めて以て之に隨う。猶お傶ければ則ち之を疎んじ、人をして之を圖らしむる毋かれ。猶お疎ければ則ち之を數え、人をして之を曲げしむる毋かれ。此れ之を為す所以なり」と。「大いに臣有りて甚だ大なれば、將に反りて害を為さんとす。吾患いを優にし害を除き、將に小にして能く大を察せんとするは、之を為すこと奈何」と。「之を潭根して、伐る毋かれ。之を固く事として、入る毋かれ。之を深くして、涸らす毋かれ。之を儀とせずして、助くる毋かれ。之を章明にして、滅する毋かれ。之を生榮せしめて、失う毋かれ。十言なる者も此の一に勝らず、凶なりと雖も必ず吉なり。故に平らかにして以て滿つ」と。「事無くして總べ、以て事有るを待ちて之を為すは、若何」と。「積む者は餘日を立てて侈り、車馬を美にして馳せ、酒醴を多くして靡やし、千歳食を出だす毋き、此れを本事と謂う」と。
現代語訳
強い者と短い者を等しく立てるのは、国にとってどうか。答えた。高く名を与えて挙げ、重く官を与えて危うい場に置き、そのうえでその能を問うて従わせる。近づきすぎれば遠ざけ、人にそこを図らせない。遠ざかりすぎれば数え上げ、人にそこを曲げさせない。こうやって扱うのである。大きな臣がいてあまりに大きければ、かえって害となる。私は憂いをやわらげ害を除き、小さくても大きなものを見きわめたい。どうすればよいか。答えた。根まで深く沈めて、伐らない。固く仕事にして、踏み込まない。深くして、涸らさない。手本にはせず、助けもしない。はっきり照らして、消さない。生かして栄えさせて、失わない。十の言葉もこの一つには及ばない。凶であっても必ず吉になる。だから平らかでいて満ちる。事がないときに総べて、事が起こるのを待って動くのはどうか。答えた。蓄えのある者は余った日を作って贅沢をし、車馬を美しくして走らせ、酒を多くして使い減らす。千年も食い物を出さずにおく。これを本の事という。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『管子』侈靡其の臣なる者は、予えて之を奪い、使いて之を輟め、徒らに以て之を富まし、父繫ぎて之を伏せ、虚爵を予えて之を驕らせ、其の春秋の時を收めて之を消し、襍禮有りて我にして之を居らしめ、時に其の强き者を舉げて以て之を譽む。强くして服事せしむ可く、辯にして以て辭を辯じ、智にして以て招請し、廉にして以て人を摽す。堅强にして以て六に乘り、其の德を廣めて以て上位を輕んじ、之を使う能わずして流徙すれば、此れを國亡ぶるの郄と謂う。」
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『管子』侈靡萬世の國には、必ず萬世の實有り。必ず天地の道に因り、其の内を使う無く、其の外を使い、其の小を使いて、其の大を使う毋かれ、其の國寶を弃つ。其の大を使えば、一與を貴びて聖其の寶を稱す。其の小を使えば、以て道と為す可し。能なれば則ち專らにし、專らなれば則ち佚なり。椽の踰ゆる能わば則ち踰ゆるに椽し、宫する能わば則ち守らずして散ぜず。衆能ければ伯たり、然らずんば將に對を見んとす。君子なる者は、人を糺すに勉むる者なり、糺めらるる者に非ざるなり。故に輕き者は輕く、重き者は重く、前後慈しまず。凡そ輕き者は、實を操るなり。輕きを以てすれば則ち使う可く、重ければ起こす可からず、輕輕重齊しき有り。重は以て國を為し、輕は以て死を為す。祿を全うして國を貧しくし用を足らざらしむる毋かれ、賞を全うして德を好む毋かれ、惡は亡びて常を使う」と。
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『管子』侈靡功未だ成らざる者は、以て名を獨りにす可からず。事未だ道あらざる者は、以て名を言う可からず。功成りて然る後に以て名を獨りにす可く、事道ありて然る後に以て名を言う可く、然る後に以て致酢を承く可し。其の士に先んずる者は之れ自ら犯すを為し、其の民に後るる者は之れ自ら贍すを為す。國位を輕んずる者は國必ず敗れ、貴戚を疎んずる者は謀將に泄れんとす。異國の人を仕えしむる毋かれ、是を經を失うと為す。數々變易する毋かれ、是を成るを敗ると為す。大臣罪を得るも、封外に出だす勿かれ、是を情を漏らすと為す。數々大臣の家に據りて飲酒する毋かれ、是を國をして大いに消えしむと為す。三堯在り、縣に臧め、連比に返る。是くの若き者は、必ず是に從いて亡びんか。之を辟うれば尊譚の若く、未だ其の本に勝たざれば、亡れ流れて下り、平らかならず。令苟しくも下りて治まらざれば、高下なる者は以て相待つに足らず、此れを殺と謂う。」
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『管子』侈靡「請う問う、先ず天下に合して私怨無く、强を犯して私害無きは、之を為すこと若何」と。對えて曰く、「國强しと雖も、令は必ず忠にして義を以てす。國弱しと雖も、令は必ず敬にして哀を以てす。强弱犯さざれば、則ち人聽かんと欲す。人を先にして自ら後にして、以て仁と為す無きなり。功を人に加えて得る勿くんば、槖する所の者逺く、爭う所の者外なり。明らかに私交無くんば、則ち内怨無し。大と與にすれば則ち勝ち、私交衆ければ則ち怨殺す。夷吾や、人に財を予うる者の如きは、時を奪う無きに如かず。人に食を予うる者の如きは、其の事を奪う毋きに如かず。此れを外内の患い無しと謂う」と。
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『管子』侈靡「事立ちて壞るるは、何ぞや。兵逺くして畏るるは、何ぞや。民已に聚まりて散ずるは、何ぞや。安を輟めて危うきは、何ぞや」と。「功成りて信ならざる者は、殆うし。兵强くして義無き者は、殘なり。附近に謹まずして、逺きを來たさんと欲する者は、兵信ならず。近臣を略して其の逺き者に合する者は、立つ。亡國の起、毁國の族なれば、則ち兵逺くして畏れず。國小にして大を修め、仁にして利あらず、猶お名を爭う者有らば、累なるかな是れや。聚の力を樂しみて、以て人の强を兼ね、以て其の害を待たば、聚まると雖も必ず散ず。大王は衆を恃まずして自ら恃み、百姓自ら聚まり、供して而る後に之を利し、成りて害無し。戚を疎んじて外に企つを好み、仁を以てして謀泄れ、寡を賤しみて大を好む、此れ危うき所以なり。衆くして實を約し、取りて讓を言い、隂に行いて陽に言う。人の禍有るを利とし、人の患い無きを言う。吾獨り是れ有らんと欲す、若何」と。
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