管子 / 地圖
凡兵主者,必先審知地圖。轘轅之險,濫車之水,名山、通谷、經川、陵陸、丘阜之所在,苴草、林木、蒲葦之所茂,道里之逺近,城郭之大小,名邑、廢邑、困殖之地,必盡知之。地形之出入相錯者盡藏之,然後可以行軍襲邑,舉錯知先後,不失地利,此地圖之常也。
新字:凡兵主者,必先審知地図。轘轅之険,濫車之水,名山、通谷、経川、陵陸、丘阜之所在,苴草、林木、蒲葦之所茂,道里之遠近,城郭之大小,名邑、廃邑、困殖之地,必尽知之。地形之出入相錯者尽蔵之,然後可以行軍襲邑,舉錯知先後,不失地利,此地図之常也。
書き下し
凡そ兵主なる者は、必ず先ず地圖を審らかに知る。轘轅の險、濫車の水、名山・通谷・經川・陵陸・丘阜の在る所、苴草・林木・蒲葦の茂る所、道里の遠近、城郭の大小、名邑・廢邑・困殖の地、必ず盡く之を知る。地形の出入相錯わる者は盡く之を藏す、然る後に以て軍を行り邑を襲い、舉錯先後を知り、地利を失わざる可し、此れ地圖の常なり。
現代語訳
およそ兵を主る者は、必ずまず地図を細かく知っておく。険しい轘轅の道、車を沈める水、名のある山、通る谷、流れる川、丘や陸、小高い丘のある場所。まぐさや草、林や木、蒲や葦の茂る場所。道のりの遠近、城壁の大小、名のある邑、廃れた邑、作物が育ちにくい土地。必ずすべてを知っておく。地形の出っ張りと引っ込みが入り組んでいるところは、すべて記録して蔵に納めておく。そのうえで軍を動かし邑を襲い、動くべき先と後を知り、土地の利を外さずにすむ。これが地図の常である。
解説
兵を率いる者はまず地図を知れ、という短い篇の冒頭です。挙げられる項目が細かい。険しい道、車を沈める水、まぐさの茂る場所、廃れた邑、作物の育ちにくい土地。戦う場所だけでなく、通れる道と食べさせられる場所が並んでいます。入り組んだ地形はすべて記録して蔵に納めておけ、と。頭に入れるのではなく、残しておく形でした。
この章句が説くこと
凡そ兵主なる者は必ず先ず地図を審らかに知る苴草林木蒲葦の茂る所道里の遠近城郭の大小名邑廃邑困殖の地必ず尽く之を知る地形の出入相錯わる者は尽く之を蔵す地図記録
関連する章句
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『管子』七法故に事に備え無く、兵に主無ければ、則ち蚤く知らず。野辟けず、地に吏無ければ、則ち蓄積無し。官に常無く、下上を怨めば、而して器械功ならず。朝に政無ければ、則ち賞罰明らかならず。賞罰明らかならざれば、則ち民生を幸う。故に蚤く敵人を知ること獨行の如く、蓄積有れば、則ち久しくして匱しからず。器械功なれば、則ち伐ちて費えず。賞罰明らかなれば、則ち人幸わず。人幸わざれば、則ち勇士之を勸む。故に兵なる者は、地圖に審らかにし、十官を謀り、日々蓄積を量り、勇士を齊え、徧く天下を知り、審らかに機數を御す、兵主の事なり。
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『管子』地圖人の衆寡、士の精麤、器の功苦、盡く之を知る、此れ乃ち形を知る者なり。形を知るは能を知るに如かず、能を知るは意を知るに如かず。故に兵を主るには必ず參具する者なり。主明・相知・將能、之を參具と謂う。故に將令を出だし士を發するに、期に日數有り。宿に征伐する所の國を定め、羣臣・大吏・父兄・便辟左右をして成敗を議する能わざらしむるは、人主の任なり。功勞を論じ、賞罰を行い、敢えて賢を蔽い私有らず。貨財を行用し、軍の求索に供給し、百吏をして肅敬ならしめ、敢えて解怠して邪を行わず、以て君の令を待たしむるは、相室の任なり。器械を繕い、士を選練し、教服を為し、什伍を連ね、徧く天下を知り、審らかに機數を御す。
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『管子』幼官圖旗物は黑を尚び、兵は脅盾を尚ぶ。刑は則ち游仰灌流す。數を察して治を知り、器を審らかにして勝を識り、謀を明らかにして勝に適い、德に通じて天下定まる。宗廟を定め、男女を育て、官を四分すれば、則ち以て威を立て德を行い、法儀を制し、號令を出だす可し。至善の兵たるや、地は是れ求むるに非ざるなり、人を罰するは是れ君なり。義を立てて之に加うるに勝を以てし、威を至して之に實つるに德を以てし、之を守りて而る後に修む、勝心海内を焚く。民の利する所は之を立て、害する所は之を除けば、則ち民人從う。立ちて六千里の侯と為れば、則ち大人從う。國君をして其の治を得しむれば、則ち人君從う。會して命を天に請い、地氣の和を知れば、則ち生物從う。緩急の事を計れば、則ち危を危うみて難無し。器械の利に明らかなれば、則ち難を涉りて變ぜず。先後の理に察なれば、則ち兵出でて困しまず。出入の度に通ずれば、則ち深く入りて危うからず。動静の務に審らかなれば、則ち功得て害無きなり。取與の分に著なれば、則ち地を得て執らず。號令の官に慎なれば、則ち事を舉げて功有り。此れ圖の北方方外に居る。
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