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管子 / 霸形

於是桓公召管仲曰:「寡人聞之,善人者,人亦善之。今楚王之善寡人一甚矣,寡人不善,將拂於道,仲父何不遂交楚哉?」管子對曰:「不可。楚人攻宋、鄭,燒焫熯焚鄭地,使城壞者不得復築也,屋之燒者不得復葺也。令人有喪雌雄,居室如鳥鼠處穴。要宋田夾塞兩川,使水不得東流,東山之西,水深滅垝,四百里而後可田也。楚欲吞宋、鄭,思人衆兵彊而能害己者必齊也,是欲以文克齊,而以武取宋、鄭也。楚取宋、鄭而不知禁,是失宋、鄭也。禁之則是又不信於楚也。知失於内,兵困於外,非善舉也。」

新字:於是桓公召管仲曰:「寡人聞之,善人者,人亦善之。今楚王之善寡人一甚矣,寡人不善,将払於道,仲父何不遂交楚哉?」管子対曰:「不可。楚人攻宋、鄭,焼焫熯焚鄭地,使城壊者不得復築也,屋之焼者不得復葺也。令人有喪雌雄,居室如鳥鼠処穴。要宋田夾塞両川,使水不得東流,東山之西,水深滅垝,四百里而後可田也。楚欲吞宋、鄭,思人衆兵彊而能害己者必斉也,是欲以文克斉,而以武取宋、鄭也。楚取宋、鄭而不知禁,是失宋、鄭也。禁之則是又不信於楚也。知失於内,兵困於外,非善舉也。」

書き下し

是に於いて桓公管仲を召して曰く、「寡人之を聞く、人を善くする者は、人も亦た之を善くすと。今楚王の寡人を善くすること一に甚だし、寡人善くせざれば、將に道に拂わんとす、仲父何ぞ遂に楚に交わらざるや」と。管子對えて曰く、「不可なり。楚人宋・鄭を攻め、燒焫熯焚して鄭の地をし、城の壞るる者をして復た築くを得ざらしめ、屋の燒くる者をして復た葺くを得ざらしむ。人をして雌雄を喪う有らしめ、居室鳥鼠の穴に處るが如し。宋の田を要し兩川を夾み塞ぎ、水をして東流するを得ざらしむ、東山の西、水深くして垝を滅ぼし、四百里にして而る後に田す可きなり。楚宋・鄭を吞まんと欲し、人衆く兵彊くして能く己を害する者を思うに必ず齊なりと。是れ文を以て齊に克ちて、武を以て宋・鄭を取らんと欲するなり。楚宋・鄭を取りて禁ずるを知らざれば、是れ宋・鄭を失うなり。之を禁ずれば則ち是れ又た楚に信ならざるなり。知内に失し、兵外に困しむ、善舉に非ざるなり」と。

現代語訳

そこで桓公が管仲を呼んで言った、私はこう聞いている。人を善く遇する者は、人もまた善く遇してくれる、と。いま楚王が私を善く遇することは並外れている。私が善く遇さなければ道に背くことになる。仲父はなぜ楚と交わろうとしないのか。管子が答えた、いけません。楚の人は宋と鄭を攻め、焼き払って鄭の地を焼き、城が壊れた者に二度と築かせず、屋根が焼けた者に二度と葺かせなかった。人々に連れ合いを失わせ、住まいは鳥や鼠が穴にいるようです。宋の田を押さえ、二つの川を挟んでふさぎ、水を東へ流れないようにした。東山の西では水が深く土手を覆い、四百里の先でようやく田が作れる。楚は宋と鄭を呑み込みたいが、人が多く兵が強くて自分を害せるのは必ず斉だと考えている。これは文で斉に勝ち、武で宋と鄭を取ろうとしているのです。楚が宋と鄭を取るのを禁じることを知らなければ、宋と鄭を失うことになります。禁じれば、こんどは楚に対して信を欠くことになる。知恵は内で失われ、兵は外で苦しむ。よい挙ではありません。

解説

贈り物を受け取ってしまった桓公が、では交わろうと言い出す場面です。管仲はまず、楚が何をしたかを一から述べ直しました。復旧を禁じ、水を止めた。そのうえで相手の狙いを一言で言います。文で斉に勝ち、武で宋鄭を取ろうとしている、と。受け取ってしまうと、止めれば信を欠き、止めなければ二国を失う。どちらにも進めなくなる仕掛けでした。

この章句が説くこと

人を善くする者は人も亦た之を善くす是れ文を以て斉に克ちて武を以て宋鄭を取らんと欲するなり楚宋鄭を取りて禁ずるを知らざれば是れ宋鄭を失うなり知内に失し兵外に困しむ善舉に非ざるなり贈与狙い

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