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管子 / 中匡

桓公謂管仲曰:「請致仲父。」公與管仲父而將飲之,掘新井而柴焉。十日齋戒,召管仲。管仲至,公執爵,夫人執尊,觴三行,管仲趨出。公怒曰:「寡人齋戒十日而飲仲父,寡人自以為修矣。仲父不告寡人而出,其故何也?」鮑叔、隰朋趨而出,及管仲於途,曰:「公怒。」管仲反,入,倍屏而立,公不與言。少進中庭,公不與言。少進傅堂,公曰:「寡人齋戒十日而飲仲父,自以為脱於罪矣。仲父不告寡人而出,未知其故也。」對曰:「臣聞之,沈於樂者洽於憂,厚於味者薄於行,慢於朝者緩於政,害於國家者危於社稷。臣是以敢出也。」

新字:桓公謂管仲曰:「請致仲父。」公与管仲父而将飲之,掘新井而柴焉。十日斎戒,召管仲。管仲至,公執爵,夫人執尊,觴三行,管仲趨出。公怒曰:「寡人斎戒十日而飲仲父,寡人自以為修矣。仲父不告寡人而出,其故何也?」鮑叔、隰朋趨而出,及管仲於途,曰:「公怒。」管仲反,入,倍屏而立,公不与言。少進中庭,公不与言。少進傅堂,公曰:「寡人斎戒十日而飲仲父,自以為脱於罪矣。仲父不告寡人而出,未知其故也。」対曰:「臣聞之,沈於楽者洽於憂,厚於味者薄於行,慢於朝者緩於政,害於国家者危於社稷。臣是以敢出也。」

書き下し

桓公管仲に謂いて曰く、「請う仲父を致さん」と。公管仲父と與に將に之を飲まんとし、新井を掘りて焉を柴す。十日齋戒して、管仲を召す。管仲至り、公爵を執り、夫人尊を執り、觴三たび行われて、管仲趨りて出づ。公怒りて曰く、「寡人齋戒すること十日にして仲父を飲ましむ、寡人自ら以て修まれりと為す。仲父寡人に告げずして出づ、其の故は何ぞや」と。鮑叔・隰朋趨りて出で、管仲に途に及びて曰く、「公怒れり」と。管仲反り、入りて、屏に倍きて立つ、公與に言わず。少しく中庭に進む、公與に言わず。少しく堂に傅く、公曰く、「寡人齋戒すること十日にして仲父を飲ましむ、自ら以て罪を脱すと為す。仲父寡人に告げずして出づ、未だ其の故を知らざるなり」と。對えて曰く、「臣之を聞く、樂に沈む者は憂いに洽く、味に厚き者は行いに薄く、朝に慢る者は政に緩く、國家を害する者は社稷に危うしと。臣是を以て敢えて出でしなり」と。

現代語訳

桓公が管仲に言った、仲父を招きたい。公は管仲を招いて酒を飲ませようとし、新しい井戸を掘って柴で覆った。十日斎戒して管仲を召した。管仲が到着すると、公が杯を持ち、夫人が酒器を持ち、杯が三度めぐったところで管仲は小走りに出ていった。公は怒って言った、私は十日斎戒して仲父に飲ませた。私は自分で身を慎んだつもりだ。仲父は私に告げずに出ていった。その理由は何か。鮑叔と隰朋が走り出て、道で管仲に追いついて言った、公が怒っておられる。管仲は戻り、入って屏風を背にして立った。公は口をきかない。少し中庭に進んだ。公は口をきかない。少し堂に近づいた。公が言った、私は十日斎戒して仲父に飲ませた。自分では落ち度をまぬかれたつもりだ。仲父が告げずに出た理由がまだわからない。答えて言った、私はこう聞いています。楽しみに沈む者は憂いに浸り、味に厚い者は行いに薄く、朝廷を怠る者は政にゆるく、国家を害する者は社稷を危うくする、と。だから私はあえて出たのです。

解説

もてなしを途中で退席する場面です。桓公は十日斎戒して迎えたのに、杯が三度めぐったところで管仲は出ていってしまう。呼び戻されても、屏風の前、中庭、堂の近くと、少しずつしか進みません。そして理由を四つの対で述べます。楽しみに沈めば憂いに浸り、味に厚ければ行いに薄い。厚いもてなしそのものを、危うさの始まりとして断ったのでした。

この章句が説くこと

公斎戒すること十日にして仲父を飲ましむ觴三たび行われて管仲趨りて出づ楽に沈む者は憂いに洽く味に厚き者は行いに薄し朝に慢る者は政に緩く国家を害する者は社稷に危うし節度厚遇

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