管子 / 八觀
置法出令,臨衆用民,計其威嚴寛惠,行於其民與不行於其民可知也。法虗立而害疏逺,令一布而不聴者存,賤爵禄而毋功者富,然則衆必輕令而上位危。故曰:良田不在戰士,三年而兵弱;賞罰不信,五年而破;上賣官爵,十年而亡;倍人倫而禽獸行,十年而滅。戰不勝,弱也。地四削,入諸侯,破也。離本國,徙都邑,亡也。有者異姓,滅也。故曰:置法出令,臨衆用民,計威嚴寛惠,而行於其民不行於其民可知也。
新字:置法出令,臨衆用民,計其威厳寛恵,行於其民与不行於其民可知也。法虗立而害疏遠,令一布而不聴者存,賤爵禄而毋功者富,然則衆必軽令而上位危。故曰:良田不在戦士,三年而兵弱;賞罰不信,五年而破;上売官爵,十年而亡;倍人倫而禽獣行,十年而滅。戦不勝,弱也。地四削,入諸侯,破也。離本国,徙都邑,亡也。有者異姓,滅也。故曰:置法出令,臨衆用民,計威厳寛恵,而行於其民不行於其民可知也。
書き下し
法を置き令を出だし、衆に臨み民を用うるに、其の威嚴寛惠を計れば、其の民に行わるると其の民に行われざるとは知る可きなり。法虛しく立ちて疏遠を害し、令一たび布かれて聽かざる者存し、爵禄を賤しみて功無き者富まば、然らば則ち衆必ず令を輕んじて上位危うし。故に曰く、良田戰士に在らざれば、三年にして兵弱し。賞罰信ならざれば、五年にして破る。上官爵を賣らば、十年にして亡ぶ。人倫に倍きて禽獸の行あらば、十年にして滅ぶと。戰いて勝たざるは、弱きなり。地四たび削られ、諸侯に入るは、破るるなり。本國を離れ、都邑を徙すは、亡ぶるなり。有つ者異姓なるは、滅ぶるなり。故に曰く、法を置き令を出だし、衆に臨み民を用うるに、威嚴寛惠を計れば、而して其の民に行わるると其の民に行われざるとは知る可きなりと。
現代語訳
法を置き令を出し、人々に臨んで民を用いるとき、その厳しさとゆるやかさを数えれば、それが民に行われているかいないかがわかる。法が空しく立っているだけで遠い者ばかりを害し、令が一度布かれても聞かない者が残り、爵禄が賤しめられて功のない者が富めば、人々は必ず令を軽んじ、上の位は危うい。だから言う、良い田が戦士のものでなければ三年で兵は弱くなる。賞罰が信じられなければ五年で破れる。上が官爵を売れば十年で亡ぶ。人の道に背いて獣のようにふるまえば十年で滅ぶ、と。戦って勝てないのが弱いということ。土地を四方から削られ諸侯のものになるのが破れるということ。もとの国を離れ都を移すのが亡ぶということ。国を保つ者が別の姓になるのが滅ぶということである。だから言う、法を置き令を出し、人々に臨んで民を用いるとき、厳しさとゆるやかさを数えれば、それが民に行われているかいないかがわかる、と。
解説
この章句が説くこと
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孫子・形篇善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ。故に能く勝敗の政を為す。
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『管子』明法解明主なる者は、度量を一にし、表儀を立てて、堅く之を守る、故に令下りて民從う。法なる者は、天下の程式なり、萬事の儀表なり。吏なる者は、民の命を懸くる所なり。故に明主の治むるや、法に當たる者は之を賞し、法に違う者は之を誅す。故に法を以て罪を誅すれば、則ち民は死に就きて怨まず。法を以て功を量れば、則ち民は賞を受けて德とせざるなり。此れ法を以て舉錯するの功なり。故に明法に曰く、「法を以て國を治むれば、則ち舉錯するのみ」と。明主なる者は、法度の制有り、故に羣臣は皆な方正の治に出でて、敢えて姦を為さず。百姓は主の法に從事するを知る、故に吏の使う所の者は、法有れば則ち民之に從い、法無ければ則ち止む。民は法を以て吏と相距り、下は法を以て上と事に從う。故に詐偽の人は其の主を欺くを得ず、嫉妬の人は其の賊心を用うるを得ず、讒諛の人は其の巧を施すを得ず、千里の外も敢えて擅に非を為さず。故に明法に曰く、「法度の制有る者は、巧みに詐偽を以てす可からず」と。
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