管子 / 七法
不明於則,而欲出號令,猶立朝夕於運均之上,擔竿而欲定其末。不明於象,而欲論材審用,猶絶長以為短,續短以為長。不明於法,而欲治民一衆,猶左書而右息之。不明於化,而欲變俗易教,猶朝揉輪而夕欲乘車。不明於決塞,而欲敺衆移民,猶使水逆流。不明於心術,而欲行令於人,猶倍招而必拘之。不明於計數,而欲舉大事,猶無舟檝而欲經於水險也。故曰:錯儀畫制,不知則不可。論材審用,不知象不可。和民一衆,不知法不可。變俗易教,不知化不可。敺衆移民,不知決塞不可。布令必行,不知心術不可。舉事必成,不知計數不可。
新字:不明於則,而欲出号令,猶立朝夕於運均之上,担竿而欲定其末。不明於象,而欲論材審用,猶絶長以為短,続短以為長。不明於法,而欲治民一衆,猶左書而右息之。不明於化,而欲変俗易教,猶朝揉輪而夕欲乗車。不明於決塞,而欲敺衆移民,猶使水逆流。不明於心術,而欲行令於人,猶倍招而必拘之。不明於計数,而欲舉大事,猶無舟檝而欲経於水険也。故曰:錯儀画制,不知則不可。論材審用,不知象不可。和民一衆,不知法不可。変俗易教,不知化不可。敺衆移民,不知決塞不可。布令必行,不知心術不可。舉事必成,不知計数不可。
書き下し
則に明らかならずして號令を出ださんと欲するは、猶お朝夕を運均の上に立て、竿を擔いて其の末を定めんと欲するがごとし。象に明らかならずして材を論じ用を審らかにせんと欲するは、猶お長きを絕ちて以て短きと為し、短きを續ぎて以て長しと為すがごとし。法に明らかならずして民を治め衆を一にせんと欲するは、猶お左に書して右に之を息むがごとし。化に明らかならずして俗を變じ教を易えんと欲するは、猶お朝に輪を揉めて夕べに車に乘らんと欲するがごとし。決塞に明らかならずして衆を敺り民を移さんと欲するは、猶お水をして逆流せしむるがごとし。心術に明らかならずして令を人に行わんと欲するは、猶お招に倍きて必ず之を拘えんとするがごとし。計數に明らかならずして大事を舉げんと欲するは、猶お舟檝無くして水險を經んと欲するがごときなり。故に曰く、儀を錯き制を畫くは、則を知らざれば不可なり。材を論じ用を審らかにするは、象を知らざれば不可なり。民を和し衆を一にするは、法を知らざれば不可なり。俗を變じ教を易うるは、化を知らざれば不可なり。衆を敺り民を移すは、決塞を知らざれば不可なり。令を布きて必ず行わるるは、心術を知らざれば不可なり。事を舉げて必ず成るは、計數を知らざれば不可なり。
現代語訳
則に明るくないのに号令を出そうとするのは、回るろくろの上に日時計を立て、竿をかついでその先端を定めようとするようなものである。象に明るくないのに人材を論じ用途を見きわめようとするのは、長いものを切って短いものにし、短いものを継いで長いものにするようなものである。法に明るくないのに民を治め人々を一つにしようとするのは、左手で書きながら右手でそれを止めるようなものである。化に明るくないのに習わしを変え教えを改めようとするのは、朝に木を曲げて輪を作り、夕べにはその車に乗ろうとするようなものである。決塞に明るくないのに人を動かし民を移そうとするのは、水を逆に流そうとするようなものである。心術に明るくないのに令を人に行おうとするのは、招く合図に背を向けたまま相手を捕らえようとするようなものである。計数に明るくないのに大事を起こそうとするのは、舟も櫂もなしに水の難所を越えようとするようなものである。だから言う、儀を据え制を描くには則を知らねばならない。人材を論じ用途を見きわめるには象を知らねばならない。民を和し人々を一つにするには法を知らねばならない。習わしを変え教えを改めるには化を知らねばならない。人を動かし民を移すには決塞を知らねばならない。令を布いて必ず行われるには心術を知らねばならない。事を起こして必ず成るには計数を知らねばならない。
解説
この章句が説くこと
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