管子 / 乘馬
方六里,一乘之地也。方一里,九夫之田也。黄金一鎰,百乘一宿之盡也。無金則用其絹,季絹三十三,制當一鎰。無絹則用其布,經暴布百兩當一鎰。一鎰之金,食百乘之一宿,則所市之地六步一㪷,命之曰中歳,有市、無市則民不乏矣。方六里名之曰社,有邑焉,名之曰央,亦闗市之賦。黄金百鎰為一篋,其貨一榖籠為十篋。其商茍在市者三十人,其正月、十二月黄金一鎰,命之曰正分。春曰書比,立夏曰月程,秋曰大稽,與民數得亡。三嵗修封,五嵗修界,十嵗更制,經正也。
新字:方六里,一乗之地也。方一里,九夫之田也。黄金一鎰,百乗一宿之尽也。無金則用其絹,季絹三十三,制当一鎰。無絹則用其布,経暴布百両当一鎰。一鎰之金,食百乗之一宿,則所市之地六歩一㪷,命之曰中歳,有市、無市則民不乏矣。方六里名之曰社,有邑焉,名之曰央,亦関市之賦。黄金百鎰為一篋,其貨一榖籠為十篋。其商茍在市者三十人,其正月、十二月黄金一鎰,命之曰正分。春曰書比,立夏曰月程,秋曰大稽,与民数得亡。三歳修封,五歳修界,十歳更制,経正也。
書き下し
方六里は、一乘の地なり。方一里は、九夫の田なり。黄金一鎰は、百乘一宿の盡くす所なり。金無ければ則ち其の絹を用う、季絹三十三、制して一鎰に當つ。絹無ければ則ち其の布を用う、經暴布百兩、一鎰に當つ。一鎰の金、百乘の一宿を食ましむれば、則ち市する所の地は六步一斗、之を命じて中歳と曰う。市有るも、市無きも則ち民乏しからず。方六里、之を名づけて社と曰い、邑有り、之を名づけて央と曰う、亦た關市の賦なり。黄金百鎰を一篋と為し、其の貨一穀籠を十篋と為す。其の商苟くも市に在る者三十人、其の正月・十二月に黄金一鎰、之を命じて正分と曰う。春に書比と曰い、立夏に月程と曰い、秋に大稽と曰い、民數の得亡を與にす。三歳に封を修め、五歳に界を修め、十歳に制を更む、經正なり。
現代語訳
六里四方は一乗分の地である。一里四方は九人分の田である。黄金一鎰は、百乗が一泊するのに使い切る額である。金がなければ絹で代え、季絹三十三で一鎰に当てる。絹がなければ布で代え、目の詰んだ布百両で一鎰に当てる。一鎰の金で百乗の一泊をまかなうなら、市で取れる土地の産は六歩あたり一斗となる。これを中くらいの年という。市があってもなくても、民が物に窮しないようにする。六里四方を社といい、そこに邑があればこれを央という。ここにも関市の税がある。黄金百鎰を一篋とし、その財貨は穀物籠一つを十篋とする。商人で市にいる者が三十人あれば、正月と十二月に黄金一鎰を納める。これを正分という。春には書比といい、立夏には月程といい、秋には大稽といって、民の数の増減を照らし合わせる。三年ごとに封を直し、五年ごとに境を直し、十年ごとに制を改める。これが常の正しさである。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『管子』乘馬方六里、之を命じて暴と曰い、五暴、之を命じて部と曰い、五部、之を命じて聚と曰う。聚には市有り、市無ければ則ち民乏し。五聚、之を命じて某鄉と曰い、四鄉、之を命じて方と曰う、官制なり。官成りて邑を立つ。五家にして伍、十家にして連、五連にして暴、五暴にして長、之を命じて某鄉と曰い、四鄉、之を命じて都と曰う、邑制なり。邑成りて事を制す。四聚を一離と為し、五離を一制と為し、五制を一田と為し、二田を一夫と為し、三夫を一家と為す、事制なり。事成りて器を制す。方六里を一乘の地と為すなり。一乘なる者は、四馬なり。一馬は、其の甲七、其の蔽五。四乘は、其の甲二十有八、其の蔽二十、白徒三十人車兩を奉ず、器制なり。
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『管子』山至數桓公管子に問いて曰く、「請う幣乗馬を問う」と。管子對えて曰く、「始め夫の三大夫の家を取るに、方六里にして一乗、二十七人にして一乗を奉ず。幣乗馬なる者は、方六里、田の美惡は若干、穀の多寡は若干、榖の貴賤は若干、凡そ方六里に幣を用うること若干、榖の重に幣を用うること若干。故に幣乗馬なる者は、幣を國に布き、幣もて一國陸地の數と為す、之を幣乗馬と謂う」と。
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『管子』乘馬地なる者は、政の本なり。朝なる者は、義の理なり。市なる者は、貨の準なり。黄金なる者は、用の量なり。諸侯の地、千乘の國なる者は、器の制なり。五つの者、其の理知る可きなり、之を為すに道有り。
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『管子』山至數桓公曰く、「幣乗馬の數を行うこと奈何」と。管子對えて曰く、「士は資を受くるに幣を以てし、大夫は邑を受くるに幣を以てし、人馬は食を受くるに幣を以てすれば、則ち一國の榖資は上に在り、幣貲は下に在り、國榖の什倍するは、數なり。萬物財物の什の二を去るは、筴なり。皮革・筋角・羽毛・竹箭・器械・財物、茍しくも國器君用に合する者は、皆な矩劵上に有り。君實に鄉州に藏せしめて曰く、『某月某日、茍しくも責を從うる者は、鄉に決し州に決す』と。故に曰く、庸に就くこと一日にして決す、と。國筴は榖より出づ、軌もて國を筴るは、貨幣乗馬なる者なり。今刀布は官府に藏し、巧幣萬物の輕重は皆な賈に在り。彼れ幣重ければ萬物輕く、幣輕ければ萬物重し。彼れ榖重ければ榖輕し。人君榖幣金の衡を操れば、天下定むべきなり。此れ天下を守るの數なり」と。
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『管子』乘馬數桓公曰く、「乗馬の數は此に盡くるか」と。管子對えて曰く、「布織財物は、皆な其の貲を立つ。財物の貲と幣とは髙下し、榖は獨り貴く獨り賤し」と。桓公曰く、「何をか獨り貴く獨り賤しと謂う」と。管子對えて曰く、「榖重ければ萬物輕く、榖輕ければ萬物重し」と。公曰く、「筴乗馬の數を賤くするは奈何」と。管子對えて曰く、「郡縣の上臾の壤は之を守ること若干、間壤は之を守ること若干、下壤は之を守ること若干。故に壤を相て籍を定むれば民移らず、貧を振い不足を補えば、下は上を樂しむ。故に上壤の滿つるを以て、下壤の衆きを補う。四時を章らかにし、諸を開闔に守れば、民の移らざるや、方を地に廢くが如し。此れを之れ筴乗馬の數と謂う」と。
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『管子』乘馬數今其の筴乗馬を亡う君に至りては、春秋冬夏、時の終始を知らず、功を作し衆を起こし、宫室臺榭を立て、民は其の本事を失う。君は其の諸を春の筴に失い、又た諸を夏秋の筴數に失えるを知らず。民に子を賣る無きは、數なり。猛毅の人は淫暴し、貧病の民は乞い請う。君律度を行えば、則ち民は刑僇を被りて主上に從わず。此れ筴乗馬の數の亡ぶるなり。乗馬の準は、天下と準を齊しくす。彼の物は輕ければ則ち泄れ、重ければ則ち射らる。此れ鬬國相い泄らし、輕重の家相い奪うなり。王國に至りては、則ち流を持して止む」と。桓公曰く、「何をか流を持すと謂う」と。管子對えて曰く、「一人耕して五人食う者有り、一人耕して四人食う者有り、一人耕して三人食う者有り、一人耕して二人食う者有り。此れ力を齊しくして地に功するなり。田の筴相い圓かなる、此れ國筴の時守なり。君筴を以て守らざれば、則ち民且に上に守らんとす、此れ國筴の流るるのみ」と。