管子 / 立政
凡將舉事,令必先出,曰事將為。其賞罰之數必先明之,立事者謹守令以行賞罰。計事致令,復賞罰之所加,有不合于令之所謂者,雖有功利,則謂之專制,罪死不赦。首事既布,然後可以舉事。
新字:凡将舉事,令必先出,曰事将為。其賞罰之数必先明之,立事者謹守令以行賞罰。計事致令,復賞罰之所加,有不合于令之所謂者,雖有功利,則謂之専制,罪死不赦。首事既布,然後可以舉事。
書き下し
凡そ將に事を舉げんとせば、令必ず先ず出だし、曰く事將に為さんとすと。其の賞罰の數必ず先ず之を明らかにし、事を立つる者は謹んで令を守りて以て賞罰を行う。事を計り令を致し、賞罰の加うる所に復し、令の謂う所に合わざる者有らば、功利有りと雖も、則ち之を專制と謂い、罪死して赦さず。首事既に布かれ、然る後に以て事を舉ぐ可し。
現代語訳
およそ事を起こそうとするなら、必ず先に令を出して、これこれの事をこれから行う、と告げる。その賞罰の定めも必ず先に明らかにし、事に当たる者は令を慎んで守って賞罰を行う。事を計り令を果たしたと届け、賞罰を加えた先を報告する。そこに令の言うところと合わないものがあれば、たとえ功があり利があっても「勝手に決めた」として、死罪で赦されない。まずこの根本の告知が布かれ、そのうえではじめて事を起こすことができる。
解説
事を始める前に、やることと賞罰の定めを先に出しておけ、という短い段です。厳しいのはそのあとでした。あとで照らして令と合わなければ、功があり利があっても罰する。結果が良ければ手順は問わない、という逃げ道をふさぎました。うまくいったから許す、を一度でも認めれば、先に出した令が意味を失うからです。うまくいったから許す、を一度でも認めれば令が意味を失うという理屈です。
この章句が説くこと
凡そ将に事を舉げんとせば令必ず先ず出だす其の賞罰の数必ず先ず之を明らかにす令の謂う所に合わざる者有らば功利有りと雖も之を専制と謂う首事既に布かれ然る後に以て事を舉ぐ可し手順事前
関連する章句
-
『呻吟語』外篇・治道・餘懼と餘望人を罰するに盡くは其の罪を數へずんば、則ち餘懼有り。人を賞するに盡くは其の功を數へずんば、則ち餘望有り。
-
『韓非子』用人第二十七罪は甲に生じて、禍は乙に帰すれば、伏怨乃ち結ぶ。故に至治の国は、賞罰有りて喜怒無し、故に聖人極まる。
-
『武治提要』賞罰・第4段賞罰を嚴重にするは、たとへば活潑のけやけき藥を飮がごとし、的中するときは大利あり、的中せざるときは大害あり。故に吾に得る處あらずして、人の糟粕を咬て、以て嚴重をなすべからず。然れども嚴重を以てせざるときは、戰國にあつて國を廣し、兵を强して、社稷を全することを得べからず。武將の勤力此間にあり。賞物亦三等あり。言を以て賞し、物を以て賞し、地を以て賞すこれ也。一等各上中下を具す。故に賞物亦九等たり。地を以てするは功の上なり、物を以てするはこれに次、言を以てするは又これに次り。凡武將剛臆褒貶の言辭は、平日の政令にして、武俗を化するの本なり。其かゝる處甚重し。夫人々の好惡、其趣意同しからざるを以て、毀譽の批判必ず同じからず。これを一決すること、武將の批判にあり。
-
司馬法・嚴位若し将に復た戦わんとすれば、則ち賞罰を重くす。
-
『潜夫論』正列旧時、京師は動功を防がず、禁を造りて以来、吉祥応瑞、子孫昌熾なること、前に過ぐる能わず。且つ夫れ君を以て臣を畏れ、上を以て下を需むれば、則ち必ず弱きを示して陵がれを取らん、殆ど福を致すの招きに非ざるなり。嘗て上記を観るに、人君の身修まり正しく賞罰明らかなる者は、国治まりて民安し。民安楽なれば、天悦喜して曆数を増す。故に『書』に曰く、「王は小民を以て、天の永命を受く」と。孔子曰く、「天の助くる所の者は、順なり。人の助くる所の者は、信なり」と。信を履みて順を思い、又以て賢を尚ぶ、是を以て天より之を祐け、吉にして利しからざる無し、此れ最も凶災を却けて福善を致すの本なり。
-
『重職心得箇条』第九条刑賞与奪の権は、人主のものにして、大臣是れ預かるべきなり。倒(さかし)まに有司に授くべからず。斯くの如き大事に至っては、厳敷(きびし)く透間あるべからず。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る