格言聯璧 / 攝生類・鬧しき時は心を煉る
鬧時煉心,靜時養心,坐時守心,行時驗心,言時省心,動時制心。 榮枯倚伏,寸田自開惠逆,何須歷問塞翁?修短參差,四體自造彭殤,似難專咎司命!
新字:鬧時煉心,静時養心,坐時守心,行時験心,言時省心,動時制心。 栄枯倚伏,寸田自開恵逆,何須歴問塞翁?修短参差,四体自造彭殤,似難専咎司命!
書き下し
鬧しき時は心を煉り、靜かなる時は心を養ひ、坐する時は心を守り、行く時は心を驗し、言ふ時は心を省み、動く時は心を制す。 榮枯倚伏するも、寸田自ら惠逆を開く、何ぞ歷く塞翁に問ふを須ゐん。修短參差するも、四體自ら彭殤を造る、專ら司命を咎め難きに似たり。
現代語訳
騒がしいときは心を鍛え、静かなときは心を養い、座っているときは心を守り、歩いているときは心を確かめ、話すときは心を省み、動くときは心を制します。 栄えることと衰えることは互いに寄り添い潜み合っていますが、それは心(寸田)が自ら吉と凶を開いているのです。どうしてわざわざ塞翁(人間万事塞翁が馬の老人)に次々と尋ねる必要があるでしょうか。寿命の長い短いはまちまちですが、それは手足(体)が自ら彭祖(長寿の人)にも夭折にもしているのです。もっぱら運命の神のせいにするのは難しいようです。
解説
最初の句は、鬧、靜、坐、行、言、動という六つの場面ごとに、心の扱い方を煉、養、守、驗、省、制と一字ずつ変えて示した句です。どんな時でも心を手放すなという教えを、細やかに具体化しています。後半は栄枯と寿命を題にした対句です。倚伏は『老子』の「禍は福の倚る所、福は禍の伏す所」から来た語で、塞翁は『淮南子』に見える塞翁が馬の老人です。寸田は方寸の田、つまり心のことで、彭殤は長寿の彭祖と夭折を指します。運の良し悪しも寿命の長短も、占いや運命の神に尋ねるより、自分の心と体の使い方で決まる部分が大きいと説きます。健康や運を嘆く前に、日々の心と体の扱い方を見直そうと促す句です。
この章句が説くこと
摂生修身禍福心身自責
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