格言聯璧 / 攝生類・心上より病を卻くるの法
慎風寒,節飲食,是從吾身上卻病法。 寡嗜欲,戒煩惱,是從吾心上卻病法。 少思慮以養心氣,寡色欲以養腎氣,勿妄動以養骨氣,戒嗔怒以養肝氣,薄滋味以養胃氣,省言語以養神氣,多讀書以養膽氣,順時令以養元氣。
新字:慎風寒,節飲食,是従吾身上却病法。 寡嗜欲,戒煩悩,是従吾心上却病法。 少思慮以養心気,寡色欲以養腎気,勿妄動以養骨気,戒嗔怒以養肝気,薄滋味以養胃気,省言語以養神気,多読書以養胆気,順時令以養元気。
書き下し
風寒を慎み、飲食を節す、是れ吾が身上より病を卻くるの法なり。 嗜欲を寡くし、煩惱を戒む、是れ吾が心上より病を卻くるの法なり。 思慮を少なくして以て心氣を養ひ、色欲を寡くして以て腎氣を養ひ、妄りに動くこと勿くして以て骨氣を養ひ、嗔怒を戒めて以て肝氣を養ひ、滋味を薄くして以て胃氣を養ひ、言語を省きて以て神氣を養ひ、多く書を讀みて以て膽氣を養ひ、時令に順ひて以て元氣を養ふ。
現代語訳
風や寒さに気をつけ、飲食を節度あるものにすること、これが身体の面から病を退ける方法です。 欲を少なくし、思い悩みを戒めること、これが心の面から病を退ける方法です。 思い煩いを少なくして心の気を養い、色欲を少なくして腎の気を養い、むやみに動かず骨の気を養い、怒りを戒めて肝の気を養い、味の濃いものを控えて胃の気を養い、口数を減らして精神の気を養い、多く書を読んで胆の気を養い、季節の移り変わりに従って根本の気を養います。
解説
攝生類の冒頭の句で、養生を身と心の両面から説いています。最初の対句は、風寒と飲食に気をつけるのが身から病を退ける法、嗜欲と煩悩を減らすのが心から病を退ける法だと、二つの入口を示します。続く長い句は、心、腎、骨、肝、胃、神、胆、元という八つの気を、それぞれに合った心がけで養えと並べたものです。中国の伝統医学では、怒りは肝を傷め、色欲は腎を損なうなど、感情や欲と臓腑が結びつけて考えられてきました。多く書を読んで胆気を養うという一句には、学問が度胸を育てるという文人らしい考えがうかがえます。健康を体の手入れだけでなく、心の持ち方や生活のリズムと合わせて考える視点は、今もそのまま役に立ちます。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見るこの章句が説くこと
摂生養生節制寡欲心身
関連する章句
-
『酔古堂剣掃』集豪・金を見て人を見ず金を市に攫む者は、金を見て人を見ず。身を剖きて珠を藏する者は、珠を愛して自ら愛するを忘る。夫の性命を決して以て富貴を饕り、嗜欲を縱にして以て生を損ふ者と何ぞ異ならん。
-
李衛公問対・卷下然り而して田単燕の囲む所と為る。単一人に命じて神と為し、拝して之を祠る。神言ふ、『燕破るべし』と。単是に於いて火牛を以て出でて燕を撃ち、大いに之を破る。此れ是れ兵家の詭道なり。天官・時日も亦猶ほ此のごとし。」太宗曰く、「田単は神怪に託して燕を破り、太公は蓍亀を焚きて紂を滅ぼす。二事相反す、何ぞや。」靖曰く、「其の機は一なり。或いは逆らひて之を取り、或いは順ひて之を行ふ是れなり。昔太公武王を佐け、牧野に至り、雷雨に遇ひ、旗鼓毀折す。散宜生卜して吉にして後に行かんと欲す。此れ則ち軍中の疑懼に因りて、必ず卜を仮りて以て神に問ふなり。太公以為(おもへ)らく腐草枯骨問ふに足る無しと。且つ臣を以て君を伐つ、豈に再びすべけんや。然れども散宜生の機を前に発し、太公の機を後に成すを観るに、逆順異なると雖も、其の理致は則ち同じ。臣前に所謂術数廃すべからずとは、蓋し其の機を未だ萌さざるに存するなり。其の成功に及んでは、人事に在るのみ。」太宗曰く、「当今の将帥は、唯だ李勣・道宗・薛万徹のみ。道宗の親属を以てするを除くの外、孰か大用に堪へん。」靖曰く、「陛下嘗て言ふ、勣・道宗の兵を用ふるは、大いに勝たず亦大いに敗れず、万徹は若し大いに勝たずんば即ち須(すべから)く大いに敗るべしと。臣愚かにも聖言を思ふに、大勝を求めず亦大敗せざる者は、節制の兵なり。或いは大いに勝ち或いは大いに敗るる者は、幸ひにして功を成す者なり。故に孫武云ふ、
-
『格言聯璧』悖凶類・多事は讀書の第一の病自家の病痛は自家醫せよ、死亡の時を待ちては、醫すこと已に晚し。 多事は讀書の第一の病と為す。多欲は養生の第一の病と為す。 多言は涉世の第一の病と為す。多智は立心の第一の病と為す。 多費は作家の第一の病と為す。
-
『酔古堂剣掃』集法・惡は人の非を言ふより大なるは莫し禍は己の欲を縱にするより大なるは莫く、惡は人の非を言ふより大なるは莫し。
-
『酔古堂剣掃』集綺・花は半開を看る木香盛んに開けば、杯を把りて獨り其の下に坐し、遙かに青奴をして笛を吹かしめ、止だ一小奚を留めて酒に侍せしむ。才かに少しく斟酌すれば便ち退きて、迎春の架の後に立つ。 花は半開を看、酒は微醉に飲む。
-
『酔古堂剣掃』集醒・舞衣は暗に動くの兵戈明らかに紅樓の塚無きの邱壟為るを識るも、迷ひ來りては認めて捨生の岩と作す。直ちに舞衣の暗に動くの兵戈為るを知らば、快く去りて暫く試劍石に同じうせよ。