格言聯璧 / 攝生類・忿怒の時は耐へ得過ぐるを要す
拂意處要遣得過,清苦日要守得過。 非理來要受得過,忿怒時要耐得過,嗜欲生要忍得過。 言語知節,則愆尤少。舉動知節,則悔吝少。
新字:払意処要遣得過,清苦日要守得過。 非理来要受得過,忿怒時要耐得過,嗜欲生要忍得過。 言語知節,則愆尤少。舉動知節,則悔吝少。
書き下し
意に拂る處は遣り得過ぐるを要し、清苦の日は守り得過ぐるを要す。 非理來れば受け得過ぐるを要し、忿怒の時は耐へ得過ぐるを要し、嗜欲生ずれば忍び得過ぐるを要す。 言語節を知れば、則ち愆尤少なし。舉動節を知れば、則ち悔吝少なし。
現代語訳
思いどおりにならないときは、うまく気を晴らしてやり過ごさなければなりません。清貧で苦しい日々は、しっかり守ってやり過ごさなければなりません。 理不尽なことが降りかかったら、受け止めてやり過ごさなければなりません。腹が立ったときは、こらえてやり過ごさなければなりません。欲が湧いたときは、我慢してやり過ごさなければなりません。 言葉に節度を知れば、過ちやとがめは少なくなります。立ち居振る舞いに節度を知れば、後悔や恥は少なくなります。
解説
最初の二句は、得過つまりやり過ごすという口語を五回重ね、人生の難所の越え方を並べたものです。思いどおりにならないとき、清貧の日々、理不尽な目、怒り、欲と、状況に応じて遣る、守る、受ける、耐える、忍ぶと動詞を使い分けているところに味わいがあります。どれも正面から戦うのではなく、しのいで通り過ぎることを勧めています。後半は次の単位へ続く「節を知る」の句の始まりで、言葉と行いに節度があれば、愆尤と悔吝、つまり過ちや後悔が少なくなると説きます。攝生類にこうした句が入っているのは、心の乱れが体を損なうと考えられていたからです。つらい時期をどう通り過ぎるかという知恵として、今も役に立ちます。
この章句が説くこと
忍耐節制摂生清貧処世
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