格言聯璧 / 悖凶類・其の病根は去る處に在り
今之用人,只怕無去處,不知其病根在來處。 今之理財,只怕無來處,不知其病根在去處。 貧不足羞,可羞是貧而無志。 賤不足惡,可惡是賤而無能。
新字:今之用人,只怕無去処,不知其病根在来処。 今之理財,只怕無来処,不知其病根在去処。 貧不足羞,可羞是貧而無志。 賤不足悪,可悪是賤而無能。
書き下し
今の人を用ふる、只だ去る處無きを怕れて、其の病根の來る處に在るを知らず。 今の財を理むる、只だ來る處無きを怕れて、其の病根の去る處に在るを知らず。 貧は羞づるに足らず、羞づべきは是れ貧にして志無きなり。 賤は惡むに足らず、惡むべきは是れ賤にして能無きなり。
現代語訳
今の人の用い方は、人の行き場が無いことばかり心配して、病の根が人の入ってくるところ(採用)にあることを知りません。 今の財政は、お金の入ってくる先が無いことばかり心配して、病の根が出ていくところ(支出)にあることを知りません。 貧しいことは恥じるに足りません。恥ずべきは、貧しくて志が無いことです。 身分が低いことは嫌うに足りません。嫌うべきは、身分が低くて能力が無いことです。
解説
前半の対句は、人事と財政の急所を、來る處と去る處という同じ言葉を入れ替えて示した鋭い句です。人が余って行き場がないと嘆く者は、実は入口の採用が甘いことに気づかず、お金が入らないと嘆く者は、実は出口の支出がゆるいことに気づかないというのです。病の根は目が向いていないほうにあるという指摘です。後半の対句は次の単位の老と死の句と組になって続き、貧や賤そのものではなく、志や能力がないことこそを恥とせよと説きます。境遇よりも、その中でどう生きるかを問う考えです。組織の問題に悩むとき、原因をいつもと反対側に探してみるという発想は、今日の経営にもそのまま使えます。
この章句が説くこと
用人理財立志処世根本
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