格言聯璧 / 悖凶類・富貴もて自ら雄とするは卑陋の見
空中造謗者,造的是本身罪孽。 飽肥甘,衣輕,不知節者損福。 廣積聚,驕福貴,不知止者殺身。 文藝自多,浮薄之心也。 富貴自雄,卑陋之見也。
新字:空中造謗者,造的是本身罪孽。 飽肥甘,衣軽,不知節者損福。 広積聚,驕福貴,不知止者殺身。 文芸自多,浮薄之心也。 富貴自雄,卑陋之見也。
書き下し
空中に謗を造る者は、造る的は是れ本身の罪孽なり。 肥甘に飽き、輕に衣て、節を知らざる者は福を損ず。 廣く積聚し、福貴に驕りて、止まるを知らざる者は身を殺す。 文藝もて自ら多とするは、浮薄の心なり。 富貴もて自ら雄とするは、卑陋の見なり。
現代語訳
根も葉もない悪口をでっち上げる者は、実は自分自身の罪を造っているのです。 うまいものに飽き、軽やかな衣を着て、節度を知らない者は福を損ないます。 財を広く蓄え、福や身分におごって、止まることを知らない者は身を滅ぼします。 学問や文芸で自分を偉いと思うのは、浮ついた軽薄な心です。 富貴で自分を大物だと思うのは、卑しく狭い見方です。
解説
一行目は前の単位の「暗裏算人者」と対になり、陰謀と中傷はどちらも自分や子孫に返ってくると説きます。空中造謗は、何もないところから悪口をこしらえることです。続く対句は、衣食の贅沢と富の蓄積を並べ、節を知らなければ福を損ない、止を知らなければ身を滅ぼすと言います。「衣輕」は、ふつう「衣輕煖」のように軽く暖かい衣を言う句で、ここでは一字落ちているように見えます。最後の対句は、才と富を誇る心を浮薄と卑陋と切り捨てます。学歴や収入を誇りたくなるとき、それがかえって人の器の小ささを示してしまうことを、この句は思い出させてくれます。
この章句が説くこと
節制知足謙虚慎言報い
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