格言聯璧 / 悖凶類・陰惡の報は陽惡に較べて慘し
設陰謀,積陰私,傷陰騭,事事皆陰,自然殃流後代。 積德於人所不知,是謂陰德;陰德之報,較陽德倍多。 造惡於人所不知,是謂陰惡;陰惡之報,較陽惡加慘。
新字:設陰謀,積陰私,傷陰騭,事事皆陰,自然殃流後代。 積徳於人所不知,是謂陰徳;陰徳之報,較陽徳倍多。 造悪於人所不知,是謂陰悪;陰悪之報,較陽悪加惨。
書き下し
陰謀を設け、陰私を積み、陰騭を傷り、事事皆陰なれば、自然に殃後代に流る。 德を人の知らざる所に積む、是れを陰德と謂ふ。陰德の報は、陽德に較べて倍多し。 惡を人の知らざる所に造る、是れを陰惡と謂ふ。陰惡の報は、陽惡に較べて加々慘し。
現代語訳
陰謀をめぐらし、人に言えない私事を重ね、陰徳を損ない、何事もすべて陰に隠れて行えば、自然と災いが子孫にまで流れます。 人の知らないところで徳を積むこと、これを陰徳と言います。陰徳の報いは、人に知られた善行に比べて倍も多いのです。 人の知らないところで悪をなすこと、これを陰悪と言います。陰悪の報いは、人に知られた悪行に比べていっそうむごいのです。
解説
一行目は前の単位の「出薄言、做薄事、存薄心」と対になり、陰謀・陰私・陰騭と「陰」の字を重ねて、隠れた悪の積み重ねが子孫に災いを流すと言います。前の単位では災いが本人に及びましたが、ここでは後代に及ぶとされ、報いの範囲が広がっています。続く対句は、陰徳と陰悪を並べた明快な対比です。人に知られない善ほど報いが大きく、人に知られない悪ほど報いが重いという考えです。人に知られた善は名声という形で報いの一部をすでに受け取っているから、という見方もできるでしょう。誰も見ていないところでの振る舞いこそ、その人の本当の姿であり、長い目で見て人生を左右するのだと気づかされます。
この章句が説くこと
陰徳慎独報い子孫禍福
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