格言聯璧 / 接物類・其の口を三緘して金人に學ぶ
修己以清心為要,涉世以慎言為先。 惡莫大於縱己之欲,禍莫大於言人之非。 人生惟酒色機關,須百煉此身成鐵漢。 世上有是非門戶,要三緘其口學金人。
新字:修己以清心為要,渉世以慎言為先。 悪莫大於縦己之欲,禍莫大於言人之非。 人生惟酒色機関,須百煉此身成鉄漢。 世上有是非門戸,要三緘其口学金人。
書き下し
己を修むるには心を清くするを以て要と爲し、世を涉るには言を慎むを以て先と爲す。 惡は己の欲を縱にするより大なるは莫く、禍は人の非を言ふより大なるは莫し。 人生には惟だ酒色の機關あり、須らく此の身を百煉して鐵漢と成るべし。 世上には是非の門戶有り、其の口を三緘して金人に學ぶを要す。
現代語訳
自分を修めるには心を清らかにすることが要であり、世を渡るには言葉を慎むことが第一です。 悪として最も大きいのは自分の欲をほしいままにすることであり、災いとして最も大きいのは人の過ちを言いふらすことです。 人生には酒と色という仕掛けがあるだけです。この身を百回鍛えて鉄のような男にならなければなりません。 世の中には是非を言い争う派閥があります。口を三重に封じて、金人を見習うことが大切です。
解説
修身と処世の要を、心と言葉の二つに絞った則です。一句目で、修身は清心、処世は慎言と示し、二句目で、最大の悪は欲をほしいままにすること、最大の禍は人の非を言うことだと、それぞれの裏側を示します。後の対句は、その二つを具体的な場面に置いています。酒色の誘惑には身を百錬して鉄の男となり、是非を争う派閥の中では口を封じよというのです。金人は、孔子が周の太廟で見たという、口を三重に封じた金属の像で、背中に言葉を慎めという銘があったと孔子家語に伝わります。社内の派閥争いや噂話に巻き込まれそうなとき、口を閉じて金人に学ぶことが、身を守る最良の策になるでしょう。
この章句が説くこと
慎言節制修身処世克己
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