格言聯璧 / 惠吉類・百世に人に勸むるは書を以てす
存平等心,行方便事,效法前人,懿行訓俗型方,自然誼敦宗族,德被鄉鄰,利濟之無窮,孰大於是。 一時勸人以口,百世勸人以書。 靜以修身,儉以養德,入則篤行,出則友賢。讀書者不賤,守田者不饑,積德者不傾,擇交者不敗。
新字:存平等心,行方便事,効法前人,懿行訓俗型方,自然誼敦宗族,徳被郷鄰,利済之無窮,孰大於是。 一時勧人以口,百世勧人以書。 静以修身,倹以養徳,入則篤行,出則友賢。読書者不賤,守田者不饑,積徳者不傾,択交者不敗。
書き下し
平等の心を存し、方便の事を行ひ、前人に效法し、懿行もて俗を訓へ方に型すれば、自然に誼宗族に敦く、德鄉鄰に被り、利濟の窮まり無き、孰れか是より大ならん。 一時に人に勸むるは口を以てし、百世に人に勸むるは書を以てす。 靜以て身を修め、儉以て德を養ひ、入りては則ち篤く行ひ、出でては則ち賢を友とす。書を讀む者は賤しからず、田を守る者は饑ゑず、德を積む者は傾かず、交を擇ぶ者は敗れず。
現代語訳
平等の心を保ち、人の便宜になることを行い、先人にならって、そのすぐれた行いで世俗を教え地方の手本となれば、自然に一族の情誼は厚くなり、徳は郷里や隣人に及びます。人を利し救うことが尽きないという点で、これより大きなものがあるでしょうか。 一時に人に善を勧めるには口で語り、百代にわたって人に善を勧めるには書物によります。 静けさで身を修め、倹約で徳を養い、家に入っては行いを篤くし、外に出ては賢者を友とします。書を読む者は卑しくならず、田を守る者は飢えず、徳を積む者は傾かず、交わりを選ぶ者は失敗しません。
解説
一行目は前の単位の「貧賤盡可以積福」の続きで、貧しくても平等の心と人の便宜を図る行いによって、一族や郷里を潤せると説きます。懿行はすぐれた行い、型方は地方の手本となることです。二行目は、口で勧めるのは一時、書で勧めるのは百世という対句で、前の単位の格言刊行の話を受けています。三行目は、修身・養徳・篤行・友賢の四つの心がけと、読書・守田・積徳・択交の四つの効果を並べます。静以修身、儉以養德は諸葛亮の「誡子書」に見える句です。話した言葉は消えても、書いた言葉は残ります。自分の経験を書き残すことも、小さな積徳になるのかもしれません。
この章句が説くこと
読書積徳倹約交友修身
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