格言聯璧 / 惠吉類・一點の天理の心を存す
存一點天理心,不必責效於後,子孫賴之。 說幾句陰騭話,縱未盡施於人,鬼神鑒之。 非讀書,不能入聖賢之域。 非積德,不能生聰慧之兒。
新字:存一点天理心,不必責効於後,子孫頼之。 説幾句陰騭話,縦未尽施於人,鬼神鑒之。 非読書,不能入聖賢之域。 非積徳,不能生聰慧之児。
書き下し
一點の天理の心を存すれば、必ずしも效を後に責めずとも、子孫之に賴る。 幾句の陰騭の話を說けば、縱ひ未だ盡く人に施さずとも、鬼神之を鑒みる。 書を讀むに非ずんば、聖賢の域に入る能はず。 德を積むに非ずんば、聰慧の兒を生む能はず。
現代語訳
少しでも天理にかなう心を保っていれば、後の報いを求めなくても、子孫がそのおかげを受けます。 陰徳を勧める言葉をいくつか語れば、たとえまだ人に十分施していなくても、鬼神はそれを見ています。 書物を読まなければ、聖賢の境地に入ることはできません。 徳を積まなければ、聡明な子を授かることはできません。
解説
前の二行は、心と言葉を対にし、小さな善でも見返りを求めずに行えば、子孫が恵まれ鬼神が見ていると説きます。陰騭は人知れず積む善、つまり陰徳のことで、善書『文昌帝君陰騭文』の名でも広く知られた語です。責效は効き目を求めることです。後の二行は、読書と積徳を並べ、前者は自分を聖賢に近づけ、後者は子に聡明さをもたらすと言います。学ぶことは自分のため、徳を積むことは次の世代のため、という役割分担にも読めます。すぐに成果が見えない善行や勉強を続けることが、長い時間をかけて家や組織の土台になる、という励ましとして受け取れるでしょう。
この章句が説くこと
陰徳読書積徳子孫天理
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