格言聯璧 / 惠吉類・閑を偷めば即ち閑
求閑不得閑,偷閑即閑。 知足常足,終身不辱。知止常止,終身不恥。 急行緩行,前程總有許多路。 逆取順取,命中只有這般財。 理欲交爭,肺腑成為吳越。
新字:求閑不得閑,偸閑即閑。 知足常足,終身不辱。知止常止,終身不恥。 急行緩行,前程総有許多路。 逆取順取,命中只有這般財。 理欲交争,肺腑成為呉越。
書き下し
閑を求むれば閑を得ず、閑を偷めば即ち閑なり。 足るを知りて常に足れば、終身辱められず。止まるを知りて常に止まれば、終身恥ぢず。 急ぎ行くも緩く行くも、前程總て許多の路有り。 逆に取るも順に取るも、命中只だ這般の財有るのみ。 理欲交々爭へば、肺腑も吳越と成り為る。
現代語訳
暇を求めていると暇は得られませんが、暇を盗めばすぐに暇になります。 足ることを知って常に満ち足りていれば、一生辱められることはありません。止まることを知って常に止まれば、一生恥をかくことはありません。 急いで行こうとゆっくり行こうと、行く手にはいつも多くの道があります。 道に外れて取ろうと道に従って取ろうと、運命の中にはこれだけの財しかありません。 道理と欲とが争えば、自分の胸の内さえも呉と越(互いに争った春秋の二国)のような敵同士になります。
解説
一行目は前の単位の「要足何時足」と対になり、足ることと同じく、閑も求めて得るものではなく、自分でひねり出すものだと言います。二行目は『老子』の「知足不辱、知止不殆」を踏まえた対句です。続く対句は、急いでも道はまだ長く、不正に取っても得られる財は運命で決まっているのだから、焦りも不正も無駄だと説きます。這般は、これほどの、の意です。最後の行は次の単位の「物我一體」と対になり、理と欲が争えば自分の内臓さえ敵国同士のようになると述べます。暇ができたら休もうと思っていると一生休めません。少しの時間を盗んで休む知恵は、忙しい現代人にこそ必要でしょう。
この章句が説くこと
知足閑適節度老子安命
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