格言聯璧 / 惠吉類・天下第一種の敬すべき人
莫忘祖父積陰功,須知文字無權,全賃陰騭。 最怕生平壞心術,畢竟主司有眼,如見心田。 天下第一種可敬人,忠臣孝子。 天下第一種可憐人,寡婦孤兒。
新字:莫忘祖父積陰功,須知文字無権,全賃陰騭。 最怕生平壊心術,畢竟主司有眼,如見心田。 天下第一種可敬人,忠臣孝子。 天下第一種可憐人,寡婦孤児。
書き下し
祖父の陰功を積みしを忘るること莫かれ、須らく文字に權無く、全く陰騭に賃ることを知るべし。 最も怕るるは生平心術を壞ることなり、畢竟主司に眼有りて、心田を見るが如し。 天下第一種の敬すべき人は、忠臣孝子なり。 天下第一種の憐むべき人は、寡婦孤兒なり。
現代語訳
祖父が陰徳を積んでくれたことを忘れてはいけません。文章の出来には決め手がなく、すべて陰徳のおかげであると知るべきです。 最も恐ろしいのは、ふだんから心がけを損なうことです。結局のところ試験官には目があって、心の田を見抜くかのようです。 天下でいちばん敬うべき人は、忠臣と孝子です。 天下でいちばん憐れむべき人は、夫を亡くした妻と親を亡くした子です。
解説
前の二行は科挙の受験生に向けた対句です。合否は文章の力だけで決まらず、祖先の陰徳と本人の心がけにかかっていると説きます。「賃」は文意から「憑」と同じく、頼る、の意と見て読みました。主司は試験官のことで、答案の奥の心まで見抜くかのようだと言います。受験の合否を陰徳と結びつけるのは、清代の善書によく見られる考え方です。後の二行は、敬うべき人と憐れむべき人を対にし、忠孝の人を尊び、寡婦と孤児を助けよと説きます。試験や評価の場でも、日ごろの心がけがにじみ出るものだと考えると、準備とは技術だけではないことに気づかされます。
この章句が説くこと
陰徳忠孝心術慈愛科挙
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