格言聯璧 / 敦品類・貧賤の時眼中に富貴を著けず
既入仕如媳婦,要養人。 歸林下如阿婆,要教人。 貧賤時,眼中不著富貴,他日得志必不驕。 富貴時,意中不忘貧賤,一旦退休必不怨。
新字:既入仕如媳婦,要養人。 帰林下如阿婆,要教人。 貧賤時,眼中不著富貴,他日得志必不驕。 富貴時,意中不忘貧賤,一旦退休必不怨。
書き下し
既に仕に入りては媳婦の如く、人を養ふを要す。 林下に歸りては阿婆の如く、人に教ふるを要す。 貧賤の時、眼中に富貴を著けざれば、他日志を得るも必ず驕らず。 富貴の時、意中に貧賤を忘れざれば、一旦退休するも必ず怨みず。
現代語訳
官に仕えたら、嫁のように、人を養うことが大切です。 引退して郷里に帰ったら、姑のように、人を教えることが大切です。 貧しく身分の低いときに、富や地位を目にかけなければ、後に志を得ても決して驕りません。 富貴なときに、心の中で貧賤を忘れなければ、ひとたび退いても決して恨みません。
解説
前半は前の単位の「秀才は処女のごとく」に続き、仕官すれば嫁のように家の人々を養い、引退すれば姑のように若い人を教えよと、人生の段階ごとの務めを言います。林下は官を退いて郷里の林野に暮らすことです。後半の対句は、貧しいときと富貴なときの心の持ち方を対にします。貧しいときに富貴をうらやまない人は、出世しても驕らず、富貴なときに貧しさを忘れない人は、地位を失っても恨みません。境遇が変わっても揺れない心は、前もって作っておくものだということです。昇進や退職の前後で態度が変わってしまう人は少なくありません。今の立場にいるうちから、次の立場での自分を思い描いておく知恵と言えます。
この章句が説くこと
貧富驕り処世修身心得
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