格言聯璧 / 從政類・官肯へて意を著くること一分
昏官之害,甚於貪官,以其狼籍及人。 官肯著意一分,民受十分之惠。 上能吃苦一點,民沾萬點之恩。 禮繁則難行,卒成廢閣之書。 法繁則易犯,益甚決裂之罪。
新字:昏官之害,甚於貪官,以其狼籍及人。 官肯著意一分,民受十分之恵。 上能吃苦一点,民沾万点之恩。 礼繁則難行,卒成廃閣之書。 法繁則易犯,益甚決裂之罪。
書き下し
昏官の害は、貪官より甚し、其の狼籍人に及ぶを以てなり。 官肯へて意を著くること一分なれば、民十分の惠を受く。 上能く苦を吃すること一點なれば、民萬點の恩に沾ふ。 禮繁ければ則ち行ひ難く、卒に廢閣の書と成る。 法繁ければ則ち犯し易く、益々決裂の罪を甚しくす。
現代語訳
愚かな役人の害は、欲深い役人よりもひどいものです。その乱雑さが人々にまで及ぶからです。 役人が少しでも気を配れば、民は十倍の恵みを受けます。 上に立つ者が少しでも苦労を引き受ければ、民は万倍の恩恵にあずかります。 礼が煩雑だと行いにくく、結局は棚上げされた書物になってしまいます。 法が煩雑だと犯しやすく、ますます法を破る罪を重くしてしまいます。
解説
一行目は前の単位の「呆子之患」と対になり、無能な役人の害は汚職役人よりも大きいと言います。貪官の害は取られる者に限られますが、昏官の失政はあらゆる人に及ぶからです。続く対句は、上の小さな努力が下では大きな恵みになるという、立場による影響の増幅を説きます。最後の二行は礼と法を並べ、決まりを増やしすぎると守られなくなり、かえって違反が増えると戒めます。廢閣は高い棚に置いたまま使われないことです。社内の規程や手順書を増やすときにも、守れる量かどうかを考えるべきだという教えとして読めます。
この章句が説くこと
治政規則官吏簡素愛民
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