格言聯璧 / 從政類・念念之を君民に用ふ
曾見有瘠眾肥家者,歷世得久長耶? 以林臯安樂懶散心做官,未有不荒怠者。 以在家治生營產心做官,未有不貪鄙者。 念念用之君民,則為吉士。 念念用之套數,則為俗吏。念念用之身家,則為賊臣。
新字:曽見有瘠衆肥家者,歴世得久長耶? 以林皋安楽懶散心做官,未有不荒怠者。 以在家治生営産心做官,未有不貪鄙者。 念念用之君民,則為吉士。 念念用之套数,則為俗吏。念念用之身家,則為賊臣。
書き下し
曾て眾を瘠せしめ家を肥やす者有りて、世を歷て久長なるを得るを見んや。 林臯安樂懶散の心を以て官を做せば、荒怠せざる者有らず。 在家治生營產の心を以て官を做せば、貪鄙ならざる者有らず。 念念之を君民に用ふれば、則ち吉士と為る。 念念之を套數に用ふれば、則ち俗吏と為る。念念之を身家に用ふれば、則ち賊臣と為る。
現代語訳
民を痩せさせて自分の家を肥やした者で、代々長く続いた例を見たことがあるでしょうか。 山林でのんびり怠けて暮らす心で官職に就けば、仕事が荒れて怠けない者はいません。 家で暮らしを立て財産を増やす心で官職に就けば、貪欲で卑しくならない者はいません。 一念一念を君主と民のために用いれば、立派な役人になります。 一念一念を型どおりの手続きに用いれば、凡庸な役人になります。一念一念を自分の身と家のために用いれば、国を損なう臣下になります。
解説
一行目は前の単位の結びで、民から搾り取った家は長続きしないと問いかけます。続く二行は、官職に就くときの心構えを二つの誤りから戒めます。隠者のような気楽さで就けば職務が荒れ、家業のような損得勘定で就けば貪欲になる、というのです。最後の三行は、心の向け先で役人が吉士・俗吏・賊臣の三等に分かれると説きます。套數は決まりきったやり方、形式のことです。手続きをこなすだけの人は悪人ではなくても、仕えるべき相手を見失っています。自分の注意が一日のうち何に向いているかを振り返ると、耳の痛い句です。
この章句が説くこと
治政心構え公私官吏貪欲
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