格言聯璧 / 從政類・福を子孫に錫ふ
居官廉,人以為百姓受福,予以為錫福於子孫者不淺也,曾見有約己裕民者,後代不昌大耶? 居官濁,人以為百姓受害,予以為貽害於子孫者不淺也。
新字:居官廉,人以為百姓受福,予以為錫福於子孫者不浅也,曽見有約己裕民者,後代不昌大耶? 居官濁,人以為百姓受害,予以為貽害於子孫者不浅也。
書き下し
官に居りて廉なれば、人は以て百姓福を受くと為すも、予は以て福を子孫に錫ふ者淺からずと為すなり。曾て己を約し民を裕かにする者有りて、後代昌大ならざるを見んや。 官に居りて濁なれば、人は以て百姓害を受くと為すも、予は以て害を子孫に貽す者淺からずと為すなり。
現代語訳
官職にあって清廉であれば、人々は民が福を受けると考えますが、私は子孫に福を授けることも少なくないと考えます。自分を切り詰めて民を豊かにした人で、その子孫が栄えなかった例を見たことがあるでしょうか。 官職にあって汚れていれば、人々は民が害を受けると考えますが、私は子孫に害を残すことも少なくないと考えます。
解説
廉と濁を対にし、役人の行いが民だけでなく自分の子孫にまで跳ね返ると説く一則です。世間は清廉な政治の恩恵を民の側からだけ見ますが、編者はそれが役人自身の家の福にもなると言います。錫は賜う、貽は残し伝えるの意です。約己裕民は、自分の暮らしを切り詰めて民を豊かにすることです。濁の側の問いかけ「曾見有瘠眾肥家者」は、次の単位の頭に続いています。善悪の報いを家の盛衰で語るのは、この書が拠る善書の考え方です。今の仕事でいえば、公私の線を守ることが、長い目で見て自分と家族の信用を守ることになるでしょう。
この章句が説くこと
清廉治政子孫報い公私
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