格言聯璧 / 從政類・官に在る者は家有るを知らず
古之從仕者養人,今之從仕者養己。 今之居官也,在下民身上做工夫。古之居官也,在上官眼底做工夫。 在家者不知有官,方能守分。 在官者不知有家,方能盡分。
新字:古之従仕者養人,今之従仕者養己。 今之居官也,在下民身上做工夫。古之居官也,在上官眼底做工夫。 在家者不知有官,方能守分。 在官者不知有家,方能尽分。
書き下し
古の仕に從ふ者は人を養ひ、今の仕に從ふ者は己を養ふ。 今の官に居るや、下民の身上に在りて工夫を做す。古の官に居るや、上官の眼底に在りて工夫を做す。 家に在る者は官有るを知らずして、方に能く分を守る。 官に在る者は家有るを知らずして、方に能く分を盡す。
現代語訳
昔の仕官する者は人を養い、今の仕官する者は自分を養います。 今の官職にある者は下の民の身の上に心を砕き、昔の官職にある者は上役の目の前で心を砕きます。 家にいる者は、官があることを意識しないでこそ、自分の分を守ることができます。 官にある者は、家があることを意識しないでこそ、自分の職分を尽くすことができます。
解説
一行目は古今の役人を比べ、昔は人を養うために仕え、今は自分を養うために仕えると嘆きます。二行目は同じ比較を具体化した句ですが、この本文では古と今が入れ替わっており、一行目の趣旨からすると、昔は民のために、今は上役の目のために工夫する、と読むのが自然です。後の二行は、家にいる者と官にいる者の分をそれぞれ説く対句です。民は役所に頼らず自分の分を守り、役人は私の家を忘れて職分を尽くす、というのです。守分と盡分の一字違いが要です。上司の評価ばかりを気にして、本来仕えるべき相手を見失っていないか、今の組織人にも問いかける一則です。
この章句が説くこと
治政職分公私古今官吏
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