格言聯璧 / 從政類・爵有る底の乞兒
士夫徒貪權希寵,竟成有爵底乞兒。 無功而食,雀鼠是已。 肆害而食,虎狼是已。 毋矜清而傲濁,毋慎大而忽小,毋勤始而怠終。 勤能補拙,儉以養廉。
新字:士夫徒貪権希寵,竟成有爵底乞児。 無功而食,雀鼠是已。 肆害而食,虎狼是已。 毋矜清而傲濁,毋慎大而忽小,毋勤始而怠終。 勤能補拙,倹以養廉。
書き下し
士夫徒らに權を貪り寵を希はば、竟に爵有る底の乞兒と成る。 功無くして食むは、雀鼠是れのみ。 害を肆にして食むは、虎狼是れのみ。 清を矜りて濁に傲ること毋かれ、大を慎みて小を忽せにすること毋かれ、始めに勤めて終りに怠ること毋かれ。 勤は能く拙を補ひ、儉は以て廉を養ふ。
現代語訳
役人がただ権力をむさぼり寵愛を求めるばかりなら、結局は爵位を持った乞食になってしまいます。 手柄もないのに俸禄を食むのは、雀や鼠と同じです。 好き勝手に害をなしながら俸禄を食むのは、虎や狼と同じです。 自分の清廉を誇って汚れた者を見下してはいけません。大事には慎重でも小事をおろそかにしてはいけません。始めは勤勉でも終わりに怠けてはいけません。 勤勉は不器用さを補い、倹約は清廉の心を養います。
解説
一行目は前の単位の「平民肯種德施惠」と対になり、位のない大臣と、爵位のある乞食とを並べています。続く二行は、功なくして禄を食む者を雀や鼠に、害をなして食む者を虎や狼にたとえ、役人の二つの堕落を描きます。次の行は三つの「毋かれ」を重ね、清廉を鼻にかける傲り、小事の軽視、始めだけ勢いのよい仕事ぶりを戒めます。最後の「勤能補拙」は今も四字の成語として使われる言葉です。倹約が清廉を養うのは、欲が少なければ不正に手を出す理由も減るからです。受け取る給料に見合う働きをしているか、と自分に問う材料になる一則です。
この章句が説くこと
勤勉倹約清廉治政節制
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