格言聯璧 / 齊家類・家庭中の嫌隙を消すは大經綸
融得性情上偏私,便是大學問。 消得家庭中嫌隙,便是大經綸。 遇朋友交遊之失,宜剴切,不宜遊移。 處家庭骨肉之變,宜委曲,不宜激烈。
新字:融得性情上偏私,便是大学問。 消得家庭中嫌隙,便是大経綸。 遇朋友交遊之失,宜剴切,不宜遊移。 処家庭骨肉之変,宜委曲,不宜激烈。
書き下し
性情上の偏私を融かし得ば、便ち是れ大學問なり。 家庭中の嫌隙を消し得ば、便ち是れ大經綸なり。 朋友交遊の失に遇はば、宜しく剴切なるべし、宜しく遊移すべからず。 家庭骨肉の變に處しては、宜しく委曲なるべし、宜しく激烈なるべからず。
現代語訳
自分の性分にある偏りや身びいきを溶かすことができれば、それこそが大きな学問です。 家庭の中のわだかまりや仲たがいを消すことができれば、それこそが大きな経綸(世を治める手腕)です。 友人との交わりで過ちに出会ったら、率直にはっきりと言うべきで、あいまいにすべきではありません。 家族や肉親の間の変事に対するときは、細やかに穏やかに運ぶべきで、激しくすべきではありません。
解説
学問と経綸という大きな言葉を、自分の性情と家庭の中に引き寄せた対句で始まります。書物の知識や天下国家の策よりも、自分の偏りを溶かし、家族のわだかまりを解くことのほうが難しく尊いという逆説です。後半の対句は、友と家族とで過ちへの向き合い方を変えよと説きます。友には剴切、つまり率直にはっきり言い、家族には委曲、つまり回り道をしてでも穏やかに伝えます。友は義で結ばれ、肉親は恩で結ばれているという、儒教の人間関係の分け方が背景にあります。身近な人ほど言い方を誤りやすいので、相手との関係に合わせて伝え方を選ぶ心がけは今も役に立ちます。
この章句が説くこと
斉家交友学問和合諫言
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