格言聯璧 / 齊家類・祖宗の富貴は詩書の中より來る
祖宗富貴,自詩書中來,子孫享富貴,則棄詩書矣。 祖宗家業,自勤儉中來,子孫享家業,則忘勤儉矣。 近處不能感動,未有能及遠者。
新字:祖宗富貴,自詩書中来,子孫享富貴,則棄詩書矣。 祖宗家業,自勤倹中来,子孫享家業,則忘勤倹矣。 近処不能感動,未有能及遠者。
書き下し
祖宗の富貴は、詩書の中より來る、子孫富貴を享くれば、則ち詩書を棄つ。 祖宗の家業は、勤儉の中より來る、子孫家業を享くれば、則ち勤儉を忘る。 近き處に感動せしむる能はずして、能く遠きに及ぶ者は未だ有らず。
現代語訳
祖先の富貴は詩書(学問)の中から生まれたものなのに、子孫は富貴を享けると、詩書を捨ててしまいます。 祖先の家業は勤勉と倹約の中から生まれたものなのに、子孫は家業を享けると、勤勉と倹約を忘れてしまいます。 身近な人を感動させることができないで、遠くの人にまで及ぼすことのできた者はいません。
解説
前半の対句は、家が栄えたのちに衰えていく筋道を簡潔に描いています。祖先は学問と勤倹によって富貴と家業を築いたのに、子孫はその果実だけを受け取り、根となった学問と勤倹を手放してしまいます。詩書は『詩経』と『書経』のことで、転じて学問全般を指します。三代目が家を傾けるという言い伝えは、洋の東西を問わず語られてきました。最後の句は次の単位に続く一連の句の始まりで、身近な者を動かせない人は遠くの者も動かせないと説き、家を治めることが世を治める土台であるという『大学』の考えにつながります。成功した組織ほど、創業の頃の原点を言葉にして残しておく意味があります。
この章句が説くこと
勤倹学問家訓子孫斉家
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