格言聯璧 / 接物類・人を傷つくれば必ず反りて傷つけらる
仇莫深於不體人之私,而又苦之。 禍莫大於不諱人之短,而又訐之。 辱人以不堪必反辱,傷人以已甚必反傷。 處富貴之時,要知貧賤的痛癢。
新字:仇莫深於不体人之私,而又苦之。 禍莫大於不諱人之短,而又訐之。 辱人以不堪必反辱,傷人以已甚必反傷。 処富貴之時,要知貧賤的痛癢。
書き下し
仇は人の私を體せずして、又之を苦しむるより深きは莫し。 禍は人の短を諱まずして、又之を訐くより大なるは莫し。 人を辱むるに堪へざるを以てすれば必ず反りて辱められ、人を傷つくるに已甚しきを以てすれば必ず反りて傷つけらる。 富貴に處るの時は、貧賤の痛癢を知るを要す。
現代語訳
恨みとして最も深いのは、人の個人的な事情をくみ取らず、そのうえ相手を苦しめることです。 災いとして最も大きいのは、人の短所を口にするのを控えず、そのうえ暴き立てることです。 人を耐えられないほど辱めれば必ず辱め返され、人をひどく傷つければ必ず傷つけ返されます。 富貴な身にあるときは、貧しく身分の低い人の痛みやかゆみを知ることが大切です。
解説
前の単位の「人の性は恕で調えよ」の裏側として、人の事情をくまず、短所を暴くことが、深い恨みと大きな災いを招くと説きます。私は、人に言えない個人的な事情や弱みのことです。三句目は、度を越した辱めや傷つけは必ず自分に返ってくるという、因果の道理を述べます。孟子にも、人を殺せば人もまたその親を殺す、という似た理屈が見えます。已甚しきは、度を過ぎることで、孟子が孔子を已甚しきことをしない人と評した言葉です。最後の句から次の単位にかけて、富貴の時は貧賤を、少壮の時は衰老を思えと、相手の立場に身を置くことが続きます。人を責めるときに一歩手前で止める配慮は、結局は自分を守ることにもなるのです。
この章句が説くこと
恕慎言接物思いやり因果
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