格言聯璧 / 接物類・一語我が長厚を傷らば言に形す勿かれ
事屬曖昧,要思回護他,著不得一點攻訐的念頭。 人屬寒微,要思矜禮他,著不得一毫傲睨的氣象。 凡一事而關人終身,縱確見實聞,不可著口。 凡一語而傷我長厚,雖閑談酒謔,慎勿形言。
新字:事属曖昧,要思回護他,著不得一点攻訐的念頭。 人属寒微,要思矜礼他,著不得一毫傲睨的気象。 凡一事而関人終身,縦確見実聞,不可著口。 凡一語而傷我長厚,雖閑談酒謔,慎勿形言。
書き下し
事曖昧に屬せば、他を回護せんことを思ふを要し、一點の攻訐の念頭をも著け得ず。 人寒微に屬せば、他を矜禮せんことを思ふを要し、一毫の傲睨の氣象をも著け得ず。 凡そ一事にして人の終身に關らば、縱ひ確かに見實に聞くも、口に著くべからず。 凡そ一語にして我が長厚を傷らば、閑談酒謔と雖も、慎みて言に形す勿かれ。
現代語訳
事がはっきりしないときは、相手をかばうことを考えるべきで、少しでも責め立てて暴く気持ちを持ってはいけません。 相手が貧しく身分が低いときは、相手を思いやり礼を尽くすことを考えるべきで、少しでも見下す態度を見せてはいけません。 およそ一つの事が人の一生に関わるなら、たとえ確かに見て実際に聞いたことでも、口にしてはいけません。 およそ一言が自分の温厚さを損なうなら、雑談や酒の席の冗談であっても、慎んで言葉に出してはいけません。
解説
接物類、つまり人との接し方を説く部の冒頭です。初めの対句は、事が曖昧なら相手をかばい、相手が貧しく身分が低ければ敬意を払えと、弱い立場の人への態度を説きます。攻訐は他人の隠し事を暴いて責めること、傲睨は見下して横目で見ることです。後の対句は言葉の慎みで、人の一生を左右する話は確かな事実でも口外せず、自分の人柄を損なう一言は冗談でも言うなと戒めます。事実であっても言ってよいとは限らない、という点が大切です。噂話や酒の席での軽口は、言った本人はすぐ忘れても、言われた人の人生に長く残ることがあります。口を開く前に、その一言が誰の何に関わるかを考えたいものです。
この章句が説くこと
慎言寛容接物思いやり長厚
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