格言聯璧 / 接物類・紙を以て蘭麝を包めば香を得
人若近賢良,譬如紙一張;以紙包蘭麝,因香而得香。 人若近邪友,譬如一枝柳;以柳貫魚鱉,因臭而得臭。 人未己知,不可急求其知。 人未己合,不可急與之合。
新字:人若近賢良,譬如紙一張;以紙包蘭麝,因香而得香。 人若近邪友,譬如一枝柳;以柳貫魚鱉,因臭而得臭。 人未己知,不可急求其知。 人未己合,不可急与之合。
書き下し
人若し賢良に近づかば、譬へば紙一張の如し、紙を以て蘭麝を包めば、香に因りて香を得。 人若し邪友に近づかば、譬へば一枝の柳の如し、柳を以て魚鱉を貫けば、臭に因りて臭を得。 人未だ己を知らざれば、急に其の知るを求むべからず。 人未だ己と合はざれば、急に之と合ふべからず。
現代語訳
人が賢く善い人に近づくのは、たとえば一枚の紙のようなものです。紙で蘭や麝香を包めば、その香りによって紙も香りを得ます。 人がよこしまな友に近づくのは、たとえば一本の柳の枝のようなものです。柳の枝で魚やすっぽんを刺し通せば、その臭いによって枝も臭くなります。 人がまだ自分を理解していないなら、急いで理解を求めてはいけません。 人がまだ自分と気が合わないなら、急いで合わせようとしてはいけません。
解説
前の対句は、交わる相手によって人が染まることを、紙と柳の身近なたとえで示します。香を包んだ紙は香り、魚を貫いた柳は臭くなる。孔子家語に、善人と居るのは蘭の部屋に入るようなもので、いつの間にか香りに染まる、という言葉があり、同じ考え方です。蘭麝は蘭と麝香、どちらもよい香りの代表です。後の対句は、人との関係を急ぐなと説き、次の単位の、打ち解けにくい人ほど長く続くという句につながります。人に理解されたい、早く仲良くなりたいと焦るほど、関係はかえってぎこちなくなります。誰と時間を過ごすかを選ぶことと、関係が熟すのを待つこと。その両方が、よい交わりには欠かせません。
この章句が説くこと
交友感化接物忍耐選択
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