格言聯璧 / 持躬類・情を以て人を恕し、理を以て己を律す
趣味要沖淡,不可枯寂。 操守要嚴明,不可激烈。 聰明者戒太察,剛強者戒太暴,溫良者戒無斷。 勿施小惠傷大體,毋借公道遂私情。以情恕人,以理律己。
新字:趣味要沖淡,不可枯寂。 操守要厳明,不可激烈。 聰明者戒太察,剛強者戒太暴,温良者戒無断。 勿施小恵傷大体,毋借公道遂私情。以情恕人,以理律己。
書き下し
趣味は沖淡なるを要すれども、枯寂なるべからず。 操守は嚴明なるを要すれども、激烈なるべからず。 聰明なる者は太だ察するを戒め、剛強なる者は太だ暴なるを戒め、溫良なる者は斷無きを戒む。 小惠を施して大體を傷ふ勿れ、公道を借りて私情を遂ぐる毋れ。情を以て人を恕し、理を以て己を律す。
現代語訳
趣味や好みはあっさりと淡くあるべきですが、枯れて寂しくなってはなりません。 節操は厳しく明らかであるべきですが、激しすぎてはなりません。 聡明な人は細かく見抜きすぎることを戒め、剛強な人は荒々しすぎることを戒め、温和で善良な人は決断力のなさを戒めなさい。 小さな恩恵を施して大局を損なってはなりません。公の道理を口実にして私情を遂げてはなりません。人に対しては情でゆるし、自分に対しては理で律しなさい。
解説
前の単位からの「要すれども、べからず」の続きで、趣味の沖淡が枯寂に、操守の厳明が激烈に傾かないよう戒めます。続く句は、聡明・剛強・温良という三つの長所それぞれの落とし穴を挙げます。聡明な人は見抜きすぎて人を追い詰め、剛強な人は乱暴になり、温和な人は決められなくなるというのです。後半は、小さな親切で全体を損なうこと、公の名目で私情を通すことを戒め、最後に人には情、己には理という基準で結びます。自分には甘く人には厳しくなりがちな私たちへの、分かりやすい処方です。
この章句が説くこと
寛恕自律持躬中庸公私
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