格言聯璧 / 接物類・人の直を取りて其の戇を恕す
居視其所親,富視其所與,達視其所舉,窮視其所不為,貧視其所不取。 取人之直,恕其戇。取人之樸,恕其愚。 取人之介,恕其隘。取人之敬,恕其疏。 取人之辯,恕其肆,取人之信,恕其拘。
新字:居視其所親,富視其所与,達視其所舉,窮視其所不為,貧視其所不取。 取人之直,恕其戇。取人之樸,恕其愚。 取人之介,恕其隘。取人之敬,恕其疏。 取人之弁,恕其肆,取人之信,恕其拘。
書き下し
居ては其の親しむ所を視、富みては其の與ふる所を視、達しては其の舉ぐる所を視、窮しては其の爲さざる所を視、貧しくしては其の取らざる所を視る。 人の直を取りて、其の戇を恕す。人の樸を取りて、其の愚を恕す。 人の介を取りて、其の隘を恕す。人の敬を取りて、其の疏を恕す。 人の辯を取りて、其の肆を恕す、人の信を取りて、其の拘を恕す。
現代語訳
ふだんは誰と親しんでいるかを見、富んでいるときは誰に与えるかを見、出世したときは誰を推挙するかを見、行き詰まったときは何をしないかを見、貧しいときは何を受け取らないかを見ます。 人の正直さを取って、その愚直さを許します。人の素朴さを取って、その愚かさを許します。 人の節操の固さを取って、その狭さを許します。人の慎み深さを取って、その疎遠さを許します。 人の弁舌を取って、その放言を許し、人の信義を取って、その融通のなさを許します。
解説
一句目は、史記魏世家で李克が魏の文侯に宰相の選び方を説いた、五つの人の見方です。平時の交友、富んだときの施し、出世したときの推挙、困窮したときに何をしないか、貧しいときに何を取らないかを見よというもので、境遇ごとに人柄が表れる所を押さえています。後の三つの対句は、長所を取るなら、その裏にある短所は許せと説きます。正直な人は融通がきかず、素朴な人は愚かに見え、節操の固い人は狭量になりがちです。長所と短所は一枚の布の表と裏なので、表だけを取ることはできません。人を採るときや部下を評価するとき、短所ばかりを数えるのでなく、その短所がどの長所の裏返しなのかを見る目を持ちたいものです。
この章句が説くこと
人物観寛容接物用人恕
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