格言聯璧 / 接物類・毛を吹き垢を索めて人の得失を議す
待人當於有過中求無過,非但存厚,亦且解怨。 事後而議人得失,吹毛索垢,不肯絲毫放寬;試思己當其局未必能效彼萬一。 旁觀而論人短長,抉隱摘微,不留些須余地;試思己受其毀,未必能安意順承。
新字:待人当於有過中求無過,非但存厚,亦且解怨。 事後而議人得失,吹毛索垢,不肯糸毫放寛;試思己当其局未必能効彼万一。 旁観而論人短長,抉隠摘微,不留些須余地;試思己受其毀,未必能安意順承。
書き下し
人を待つには當に過有る中より過無きを求むべし、但だ厚きを存するのみに非ず、亦た且つ怨みを解く。 事の後にして人の得失を議し、毛を吹き垢を索めて、絲毫も放寬するを肯んぜず。試みに思へ、己其の局に當らば未だ必ずしも能く彼の萬一をも效さざらんことを。 旁觀して人の短長を論じ、隱を抉り微を摘みて、些須の余地をも留めず。試みに思へ、己其の毀を受けば、未だ必ずしも能く意を安んじて順ひ承けざらんことを。
現代語訳
人に対しては、過ちのある中から過ちのない所を探すべきです。そうすれば心の厚さを保つだけでなく、恨みも解けます。 事が済んでから人の成功や失敗をあれこれ論じ、毛を吹き分けて垢を探すように粗を探して、少しも大目に見ようとしない。試しに考えてみてください。自分がその立場にいたら、その人の万分の一もできなかったかもしれません。 傍から見て人の長所短所を論じ、隠れたことをえぐり細かいことを取り上げて、少しの余地も残さない。試しに考えてみてください。自分がそうした非難を受けたら、心穏やかに素直に受け止められるとは限りません。
解説
前の単位の「己には過ち無き中に過ちを求めよ」と対になる句で始まり、人には過ちの中に良い所を探せと説きます。続く二句は、後知恵の批評と、傍観者の論評を戒めたものです。吹毛索垢は、毛を吹き分けて隠れた傷を探すように、粗探しをすることです。どちらの句も「試みに思へ」と、相手の立場に自分を置いてみるよう促しているのが特徴です。結果が出てから批判するのはたやすく、その場で判断した人の苦労は外からは見えません。会議の振り返りや、人の仕事への評価で、つい厳しい言葉が出そうになったら、自分がその局にいたらどうしたかを一度考えてみる。それだけで言葉はずいぶん変わるはずです。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
寛容接物批評恕思いやり
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