格言聯璧 / 處事類・義に合ふ者を利と爲す
居官先厚民風,處事先求大體。 論人當節取其長,曲諒其短。 做事必先審其害,後計其利。 小人處事,於利合者為利,於利背者為害。 君子處事,於義合者為利,於義背者為害。
新字:居官先厚民風,処事先求大体。 論人当節取其長,曲諒其短。 做事必先審其害,後計其利。 小人処事,於利合者為利,於利背者為害。 君子処事,於義合者為利,於義背者為害。
書き下し
官に居りては先づ民風を厚くし、事に處しては先づ大體を求む。 人を論ずるには當に節して其の長を取り、曲げて其の短を諒とすべし。 事を做すには必ず先づ其の害を審らかにし、後に其の利を計る。 小人の事に處するや、利に合ふ者を利と爲し、利に背く者を害と爲す。 君子の事に處するや、義に合ふ者を利と爲し、義に背く者を害と爲す。
現代語訳
官職にあってはまず民の風俗を厚くし、事にあたってはまず大筋を押さえます。 人を論じるときは、長所を選び取り、短所は大目に見て思いやるべきです。 事をなすときは、必ずまずその害をよく調べ、そのあとで利を計ります。 小人が事を処するときは、利にかなうものを利とし、利に背くものを害とします。 君子が事を処するときは、義にかなうものを利とし、義に背くものを害とします。
解説
事にあたる順序と、判断の物差しを説いた則です。初めの句は、官にあればまず民の風俗、事にあたればまず大体と、根本から手をつけよと言います。二句目は人の見方で、長所を取り短所を思いやれと、三句目は事の進め方で、利より先に害を調べよと説きます。うまくいく理由より、うまくいかない理由を先に洗い出すという、慎重な手順です。最後の対句が核心で、小人と君子はどちらも利と害を言いますが、その物差しが利か義かで違うと述べます。君子にとっては義にかなうことこそが本当の利なのです。事業の判断で損得を考えるのは当然ですが、その前に筋が通っているかを問えるかどうかが、長い目で見た信用を分けるのでしょう。
この章句が説くこと
義利処事君子大局人物観
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