格言聯璧 / 敦品類・天下の爲に身を養ふ
靡苑囿,教歌舞,奢燕會,聚寶玩,此傷財也。 用財者,損而盈:傷則者,滿而覆。 士大夫當為天下養身,不當為天下惜身。 省嗜欲,減思慮,戒忿怒,節飲食,此養身也。
新字:靡苑囿,教歌舞,奢燕会,聚宝玩,此傷財也。 用財者,損而盈:傷則者,満而覆。 士大夫当為天下養身,不当為天下惜身。 省嗜欲,減思慮,戒忿怒,節飲食,此養身也。
書き下し
苑囿に靡やし、歌舞を教へ、燕會を奢り、寶玩を聚む、此れ財を傷るなり。 財を用ふる者は、損して盈ち、財を傷る者は、滿ちて覆る。 士大夫は當に天下の爲に身を養ふべし、當に天下の爲に身を惜しむべからず。 嗜欲を省き、思慮を減じ、忿怒を戒め、飲食を節す、此れ身を養ふなり。
現代語訳
庭園に金を費やし、歌舞を教え込み、宴会を贅沢にし、宝物や骨董を集める。これが財を損なうことです。 財を用いる者は、減らしているようで満ちていき、財を損なう者は、満ちているようで覆ります。 士大夫は天下のために身を養うべきで、天下のために身を惜しむべきではありません。 欲を省き、思い煩いを減らし、怒りを戒め、飲食を節する。これが身を養うことです。
解説
前の単位の「財を用いる」に対して、庭園・歌舞・宴会・骨董に財を費やすことを「財を傷る」と呼びます。そのうえで、人のために出す者は減るようでかえって満ち、自分の楽しみに使う者は満ちるようで覆るという逆説でまとめます。底本はここの「財」を「則」に作りますが、前後の対から「財」の誤りと見て読みました。後半から最後の第四の心得、身を「養う」か「惜しむ」かに入ります。身を養うとは、欲・思慮・怒り・飲食を節することで、天下の務めに耐える体と心を保つためだというのが面白い点です。健康管理を自分のためだけでなく、果たすべき役目のためと考えると、節制の意味も変わってきます。
この章句が説くこと
用財節制修身養生倹約
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