格言聯璧 / 敦品類・福を造る者は淡にして長し
廣田宅,結姻援,爭什一,鬻功名,此求福也。 造福者淡而長,求福者濃而短。 士大夫當為此生惜名,不當為此生市名。 敦詩書,尚氣節,慎取與,謹威儀,此惜名也。
新字:広田宅,結姻援,争什一,鬻功名,此求福也。 造福者淡而長,求福者濃而短。 士大夫当為此生惜名,不当為此生市名。 敦詩書,尚気節,慎取与,謹威儀,此惜名也。
書き下し
田宅を廣め、姻援を結び、什一を爭ひ、功名を鬻ぐ、此れ福を求むるなり。 福を造る者は淡にして長く、福を求むる者は濃にして短し。 士大夫は當に此の生の爲に名を惜しむべし、當に此の生の爲に名を市るべからず。 詩書に敦く、氣節を尚び、取與を慎み、威儀を謹む、此れ名を惜しむなり。
現代語訳
田畑や屋敷を広げ、縁組で有力な後ろ盾を結び、わずかな利を争い、功名を売り買いする。これが福を求めることです。 福を造る者は淡泊ですが長続きし、福を求める者は濃厚ですが短く終わります。 士大夫はこの一生のために名を惜しむべきで、この一生のために名を売るべきではありません。 詩書(経書)に厚く親しみ、気節を尊び、受け取ることと与えることを慎み、立ち居振る舞いを謹む。これが名を惜しむことです。
解説
前の単位の「福を造る」と対になる「福を求める」の中身を挙げ、二つの違いを「淡にして長、濃にして短」とまとめます。土地を広げ、縁故を結び、利を争い、名を売ることは、すぐに効き目が見えるぶん、崩れるのも早いというのです。什一は十分の一のわずかな利のことです。続いて第二の心得「名を惜しむ」と「名を市る」が始まります。名を惜しむとは、学問に親しみ、節操を守り、金品のやりとりを慎み、振る舞いを正すことで、評判を大切にして自らを律することです。目立つ成果や人脈づくりに走りたくなるとき、淡くても長く続く土台の方を選べるかどうかが問われています。
この章句が説くこと
名節造福家訓修身清廉
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