格言聯璧 / 敦品類・子孫の爲に福を造る
親兄弟析箸,璧合翻作瓜分。 士大夫愛錢,書香化為銅臭。 士大夫當為子孫造福,不當為子孫求福。 謹家規,崇儉樸,教耕讀,積陰德,此造福也。
新字:親兄弟析箸,璧合翻作瓜分。 士大夫愛銭,書香化為銅臭。 士大夫当為子孫造福,不当為子孫求福。 謹家規,崇倹樸,教耕読,積陰徳,此造福也。
書き下し
親兄弟箸を析けば、璧合も翻りて瓜分と作る。 士大夫錢を愛すれば、書香も化して銅臭と爲る。 士大夫は當に子孫の爲に福を造るべし、當に子孫の爲に福を求むべからず。 家規を謹み、儉樸を崇び、耕讀を教へ、陰德を積む、此れ福を造るなり。
現代語訳
実の兄弟が箸を分ける(財産を分けて別居する)と、璧がぴったり合うような仲も、かえって瓜を割るようにばらばらになります。 士大夫が銭を愛すると、書物の香りも銅銭の臭いに変わります。 士大夫は子孫のために福を造るべきで、子孫のために福を求めるべきではありません。 家の決まりを慎んで守り、倹約と質素を尊び、耕すことと読むことを教え、人知れぬ善行を積む。これが福を造ることです。
解説
ここから「当に…すべし、当に…すべからず」の形で、士大夫の四つの心得が続きます。その前に置かれた二句は、兄弟が財産を分けて仲が裂けること、読書人が銭を愛して品位が銅臭に変わることを戒め、財が人の結びつきと品格を損なう様子を示します。福を造るとは、家の規律・倹約・耕読・陰徳という土台を築くことで、次の単位の「福を求める」と対になります。耕読は田を耕しながら書を読む、伝統的な家の理想です。財産や縁故を残すより、子や孫が自分で立っていける家風を残すほうが長続きするという教えは、家業や会社の引き継ぎを考えるときにも示唆に富んでいます。
この章句が説くこと
家訓陰徳倹約子孫造福
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