格言聯璧 / 敦品類・爾の心は何ぞ財を重んずる
暴同三足虎,毒比兩頭蛇,惜乎壞爾方寸之地! 到處樞僂,笑伊首何仇於天? 何親於地?終朝籌算,問爾心何輕於命?何重於財? 富兒因求宦傾資,汙吏以黷貨失職。
新字:暴同三足虎,毒比両頭蛇,惜乎壊爾方寸之地! 到処枢僂,笑伊首何仇於天? 何親於地?終朝籌算,問爾心何軽於命?何重於財? 富児因求宦傾資,汚吏以黷貨失職。
書き下し
暴なること三足の虎に同じく、毒なること兩頭の蛇に比するは、惜しいかな爾の方寸の地を壞る。 到る處に樞僂す、笑ふ伊の首は何ぞ天に仇して、 何ぞ地に親しむや。終朝籌算す、問ふ爾の心は何ぞ命を輕んじて、何ぞ財を重んずるや。 富兒は宦を求むるに因りて資を傾け、汙吏は貨を黷すを以て職を失ふ。
現代語訳
三本足の虎のように乱暴で、両頭の蛇のように毒々しいのは、惜しいことに、あなたの心を損なうものです。 どこへ行っても腰をかがめてばかりいる人を笑いましょう。その頭はなぜ天を敵とし、 地にばかり親しむのでしょうか。朝から晩まで損得の計算をしている人に問いましょう。あなたの心はなぜ命を軽んじ、財を重んじるのでしょうか。 金持ちの息子は官職を求めて財産を使い果たし、汚職の役人は賄賂をむさぼって職を失います。
解説
前の単位の媚びへつらいへの嘆きに続き、ここでは乱暴と悪毒を三足の虎や両頭の蛇にたとえて戒めます。方寸の地は心のことです。次の二句は皮肉が効いていて、どこでも腰をかがめる人に、なぜ頭を天から背けて地面にばかり向けるのかと問い、終日そろばんをはじく人に、なぜ命より財を重んじるのかと問います。樞僂は腰をかがめる意の傴僂と同じ意味に取りました。最後の対句は、財で官を買おうとする富家の子と、賄賂で身を滅ぼす役人を並べ、財と官職の取り違えが身を滅ぼすことを示します。へつらいと損得勘定ばかりで一日が終わっていないか、ふと顔を上げて問い直したくなる一則です。
この章句が説くこと
貪欲へつらい修身名利清廉
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