格言聯璧 / 持躬類・奢る者は心常に貧しく、儉なる者は心常に富む
儉則約,約則百善俱興。 侈則肆,肆則百惡俱縱。 奢者富不足,儉者貧有餘,奢者心常貧,儉者心常富。 貪饕以招辱,不若儉而守廉。 干請以犯義,不若儉而全節。
新字:倹則約,約則百善倶興。 侈則肆,肆則百悪倶縦。 奢者富不足,倹者貧有余,奢者心常貧,倹者心常富。 貪饕以招辱,不若倹而守廉。 干請以犯義,不若倹而全節。
書き下し
儉なれば則ち約、約なれば則ち百善俱に興る。 侈なれば則ち肆、肆なれば則ち百惡俱に縱にす。 奢る者は富むも足らず、儉なる者は貧しきも餘り有り、奢る者は心常に貧しく、儉なる者は心常に富む。 貪饕して以て辱めを招くは、儉にして廉を守るに若かず。 干請して以て義を犯すは、儉にして節を全うするに若かず。
現代語訳
倹約すれば身が引き締まり、身が引き締まればあらゆる善が一緒に起こります。 贅沢をすれば気ままになり、気ままになればあらゆる悪が一緒にはびこります。 贅沢な人は富んでいても足りず、倹約な人は貧しくても余りがあります。贅沢な人の心はいつも貧しく、倹約な人の心はいつも豊かです。 むさぼって辱めを招くよりは、倹約して清廉を守るほうがよいのです。 人に頼み込んで義にもとるよりは、倹約して節操を全うするほうがよいのです。
解説
倹約の効用を説く聯で、この先の単位にも倹約の句が続きます。倹は約、つまり引き締めを生み、そこからあらゆる善が起こり、侈は肆、つまり放縦を生み、あらゆる悪がはびこると、連鎖の形で示します。三行目は、奢る者は富んでも足りず、倹なる者は貧しくても余るという逆説で、豊かさは持ち物ではなく心の状態だと言い切っています。後半は、倹約が清廉と節操を守る土台になることを述べます。干請は、人に取り入って便宜を頼むことです。出費を抑えることは、欲に振り回されず、人に頭を下げて義を曲げずにすむ自由を守ることでもあるのです。
この章句が説くこと
倹約清廉持躬節操知足
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